マルイー候補者はアサド大統領の再選に祝意を述べるとともに、「外国のアジェンダとつながりがある反体制派は反体制派ではない」と述べる(2021年5月29日)

大統領選挙でアサド大統領に敗北した反体制派の候補者であるマフムード・アフマド・マルイー氏(シリア民主戦線代表)は首都ダマスカスで記者会見を開き、選挙結果を受け入れると表明し、アサド大統領の再選に祝意を示した。

記者会見でのマルイー氏の発言は以下の通り:

 

私の名において、国内外の愛国的反体制派、そしてシリア民主戦線の名において、アサド大統領の勝利を祝福する。
選挙結果がどうであれ、私はこれを受け入れ、アサド大統領がすべてのシリア人の大統領に選出されたことを祝福する。我々すべてが、占領とテロからのシリアの解放を共に実現することを願っている。また、シリアが再び一つになり、ダマスカスで国家と国内外の愛国的な反体制派が一堂に会したシリア人どうしの愛国的対話大会開催に向けてともに行動することを願っている。
シリアの国家とともに、シリア難民を帰国させ、生活を保障し、彼らに尊厳を取り戻させ、復興に貢献させるための行動を続ける。国の経済に影響を及ぼしている西側のシリア国民に対する一方的な制裁を解除するために行動する。我々は、すべての国民にとって平等な市民国家であるシリアのために行動し、シオニストや米国の占領に反対し、米国とトルコによる石油、ガス、穀物、綿の略奪を阻止する。
我々は三権分立、協調主義、多元主義、政治生活の活性化を支持している。我々はこの結果をもってこう言いたい。我々は、反体制派であれ親体制派であれ、行動と建設のために国家と手を取り合い、民族や宗教への帰属とは関係なく、シリアをすべてのシリア人のものとしたい。
外国のアジェンダとつながりがある反体制派は、地域諸国や諸外国の諜報機関のために活動し、占領を支援し、敵であるシオニストのもとを訪れている。そのような反体制派は反体制派ではなく、シリアの未来を守ろうとはしていない。10年の戦争を経て、復興と、占領に対して立ち向かうことへの支持を表明したシリア国民の意思のみに従うべきだ。
シリア至上初めて、反体制活動家の政治犯が大統領選挙に立候補し、議員35人の支持を得た。国家は初めて、この立候補者が旗、写真、宣伝を掲げ、メディアで完全なる透明性をもって話すことを許した…。この経験はシリアにおける新たなメンタリティを生み出したと言える。我々はこれを維持し、協調主義を通じて政治生活を活性化させるべく行動し、みなでシリアの国家に奉仕しなければならない。
(アサド大統領への)民衆の支持は当然だ。なぜなら、不屈の大統領であり、シリアの統合に専念しているからだ。これは彼の人格においてもきわめて重要な点だ。なぜなら、彼は10年にわたり占領とテロに不屈の精神で持ちこたえ、テロ集団がダマスカスを包囲した時も持ちこたえ、国を去らず、テロと戦い、シリアの国土の一部を解放できたからだ。我々愛国的反体制派は、残る地域の解放に向けて彼を支持する。
国内の反体制派には、国家と協力して、シリア人どうしの国民総会を準備し、シリアの意思とシリアの手をもって、シリア人による問題解決策を実行する政治的糸口にいたる計画がある。

SANA(5月29日付)が伝えた。

AFP, May 29, 2021、ANHA, May 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2021、Reuters, May 29, 2021、SANA, May 29, 2021、SOHR, May 29, 2021などをもとに作成。

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