シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県、アレッポ県を砲撃し、10人死亡(2021年7月15日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるフーア市近郊にある水泳用プール一帯、県南部のイブリーン村を砲撃、フーア市近郊では6人が死亡、7人が負傷、イブリーン村では女性と女児を含む3人が死亡、4人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対し、「決戦」作戦司令室の支配地に駐留するトルコ軍がシリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタディール村を砲撃、住民1人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるガーブ平原のジューリーン村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にある東ガーリヤ町で住民が正体不明の武装集団の襲撃を受け、男性1人と息子1人が負傷、男性のいとこ1人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県12件、ラタキア県11件、アレッポ県4件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は26件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を16件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, July 15, 2021、ANHA, July 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 15, 2021、Reuters, July 15, 2021、SANA, July 15, 2021、SOHR, July 15, 2021などをもとに作成。

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