ダルアー県各所で武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーらが蜂起、シリア軍の検問所多数を制圧、シリア軍は砲撃で対処、住民にも犠牲者が(2021年7月29日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市、ジャースィム市、ヤードゥーダ村、ムザイリーブ町で、シリア軍と武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーが激しく交戦した。

戦闘は、元反体制武装集団メンバーが県内各野のシリア軍拠点を襲撃したことを受けたもの。

27日以降のダルアー市ダルアー・バラド地区に対するシリア軍の砲撃への報復だという。

HFL(7月29日付)によると、元反体制武装集団メンバーは、インヒル市にある文化センター、総合情報部傘下の民兵の本部、ナワー市の入り口に設置されているシリア軍の検問所、ジーザ町とガサム村を結ぶ街道に設置されている軍治安部隊の合同検問所、アルマー町の入口に設置されている空軍情報部の検問所などを襲撃した。

また、サイダー町では、軍事情報局の分所、サイダー病院の検問所を襲撃、シリア軍との戦闘の末、兵士25人を捕捉した。

さらに、バッカール村・タスィール町間に設置されているシリア軍の検問所、シャジャラ町にある軍事情報局の分所、西ムライハ村にあるシリア軍の検問所、ウンム・マヤーズィン町の軍事情報局の検問所2か所を制圧した。

タファス市、タイバ町、タスィール町、東ムライハ町、サフム・ジャウラーン村、ヤードゥーダ村でも検問所が制圧され、捕捉したシリア軍兵士の数は70人に上っているという。

これに対して、シリア軍はダルアー市ダルアー・バラド地区などへの砲撃を続け、同地区でで元反体制武装集団メンバー1人を、同市西部で、戦闘員6人を殺害した。

シリア軍はまた、ダルアー市ダルアー・バラド地区、ジャースィム市、ヤードゥーダ村、ムザイリーブ町に対して砲撃を行い、ダルアー市で子供1人を含む2人、ジャースィム市で1人、ヤードゥーダ村で女性1人と子供4人が死亡した。

AFP, July 29, 2021、ANHA, July 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 29, 2021、HFL, July 29, 2021、Reuters, July 29, 2021、SANA, July 29, 2021、SOHR, July 29, 2021などをもとに作成。

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