ラタキア県で、シャーム解放機構のミサイル攻撃でシリア軍兵士1人死亡、ロシア軍はカッバーナ村一帯を爆撃(2021年9月2日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がクルド山地方にあるシリア軍の拠点複数カ所を地対地ミサイルで攻撃し、兵士1人が死亡、3人が負傷した。

これに対して、ロシア軍戦闘機2機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村一帯を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍もトルコマン山一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるハザーリーン村一帯を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるマルジュ・ズフール村、ガーニヤ村、シャーグーリート村、ムハムバル村、アイン・ラールーズ村、カンスフラ村、ファッティーラ村、フライカ村を砲撃し、フライカ村で女性1人が死亡、1人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のヒルバト・ナークース村、ハミーディーヤ村、ダクマーク村、カストゥーン村、タッル・アアワル村、カルクール村、サルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村、ズィヤーラ町、フマイマート村、アイン・スライムー村、ジャイイド村、ダラービラ村、ジューリーン村、バフサ村、ラスィーフ村、バイニーン村の灌木地帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を25件(イドリブ県13件、ラタキア県7件、アレッポ県3件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を20件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, September 2, 2021、ANHA, September 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, September 2, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 2, 2021、Reuters, September 2, 2021、SANA, September 2, 2021、SOHR, September 2, 2021などをもとに作成。

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