ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、ハマー県を5日ぶりに爆撃(2021年10月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配下のザーウィヤ山地方のバーラ村に対して爆撃を実施した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア軍が爆撃を実施するのは、9月26日以来5日ぶり。

また、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるマアッラトミスリーン市近郊のバータンター村にある国内避難民(IDPs)キャンプを砲撃し、IDPの女性1人が死亡した。

シリア軍はさらに、アリーハー市、ジスル・シュグール市、ジフトリク村、バーリーシャー村を砲撃し、IDPsの女性3人と子供2人が負傷した。

これに対して、トルコ軍がカフルルースィーン村に違法に設置した国境通行所から増援部隊をシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ町を爆撃した。

シリア軍もガーブ平原各所を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるジューリーン村近郊を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が首都ダマスカスとダルアー市を結ぶ国際幹線道路で、ラジャート高原出身の4人組を要撃し、2人を殺害、2人を負傷させた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(イドリブ県8件、ラタキア県4件、アレッポ県2件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は12件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 1, 2021、ANHA, October 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, October 1, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 1, 2021、Reuters, October 1, 2021、SANA, October 1, 2021、SOHR, October 1, 2021などをもとに作成。

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