イドリブ県でロシア軍とトルコ軍の士官が異例の会談、目的は不明(2021年11月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバニー・アイユーブ丘一帯を砲撃した。

同丘頂上にはトルコ軍が拠点を設置している。

シリア軍はまた、バルユーン村、ヒルバト・マアッラーター村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市と「決戦」作戦司令室の支配下にあるタルナバ村を隔てる通行所では、ロシア軍とトルコ軍の士官が異例の会談を行った。

会談の目的は不明。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ナブア・サフル村でシリア軍の車輌の仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士1人が死亡、1人が負傷した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県9件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, November 23, 2021、ANHA, November 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 23, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 23, 2021、Reuters, November 23, 2021、SANA, November 23, 2021、SOHR, November 23, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.