ハサカ県カーミシュリー市南東でシリア軍がカーミシュリー市に向かおうとする米軍車列の進行を阻止する一方、ハッラーブ・ジール村にある米軍基地が砲撃を受ける(2021年11月23日)

ハサカ県では、SANA(11月23日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市の南東に位置するアークーラ村のシリア軍検問所が、カーミシュリー市方面に向かおうとしていた米軍の軍用車輌5輌からなる車列の進行を阻止し、退却させた。

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SANA(11月23日付)は、ヤアルビーヤ町近郊の複数の地元筋の話として、米国が違法に設置しているハサカ県北東部のハッラーブ・ジール村の航空基地を何者かがロケット弾5発で砲撃したと伝えた。

この砲撃による人的・物的被害はなかった。

爆発発生を受けて、同地上空には米主導の有志連合のヘリコプターと戦闘機多数が飛来した。

『ワタン』(11月24日付)によると、砲撃は午前1時45分ごろに行われ、近隣の住民らが砲弾が落ちる風切り音と4回にわたる爆発音を耳にしたという。

ロシアのスプートニク・ニュース(11月23日付)も、複数の地元筋の話として、ハッラーブ・ジール村にある米軍に何者かが発射したロケット弾4発が着弾し、その直後に大きな爆発が複数回発生したと伝えた。

しかし、シリア人権監視団は、複数の情報筋から得た情報として、報じられたような攻撃は行われていないと発表した。

また、米国防総省のジェシカ・マクナルティ報道官は、タス通信(11月24日付)の取材に対して「国防総省には、ハッラーブ・ジール基地が火曜日にロケット弾攻撃を受けたとの情報はない」と述べ、砲撃を受けたことを否定した。

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このほか、SANA(11月23日付)がヤアルビーヤ町近郊の複数の地元筋の話として伝えたところによると、ハッラーブ・ウシュク村航空基地に駐留する米軍の約110輌からなる車列が、米軍のヘリコプターの護衛を受けて、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由し、イラクに出国した。

AFP, November 23, 2021、ANHA, November 23, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 23, 2021、Reuters, November 23, 2021、SANA, November 23, 2021、SOHR, November 23, 2021、Sputnik News, November 23, 2021、TASS, November 24, 2021、al-Watan, November 24, 2021などをもとに作成。

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