シリア軍はハマー県でトルキスタン・イスラーム党に共鳴するアンサール・トルキスタンのシリア人戦闘員3人を殺害(2021年11月30日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を誘導砲弾3OF39クラスノポールで砲撃し、アンサール・トルキスタンのメンバーで同地出身のシリア人戦闘員3人を殺害した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

アンサール・トルキスタンはアル=カーイダに忠誠を誓う一方でダーイシュ(イスラーム国)とつながりがあったとされるジュンド・アクサー機構が2017年2月に分裂して再編された三つの組織のうちの一つで、トルキスタン・イスラーム党に共鳴するメンバーからなる。

シリア軍はまたアンカーウィー村、ヒルバト・ナークース村、フマイマート村を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室も同地でシリア軍兵士を狙撃し、2人を殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタディール村、カフルタアール村を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるサラーキブ市南東のカフルバッティーフ村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、スーラ町で正体不明の武装集団が若者1人を殺害した。

東ムライハ村でも同様に、正体不明の武装集団が農業に従事する若者1人を銃で撃って殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(イドリブ県3件、ラタキア県3件、アレッポ県6件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, November 30, 2021、ANHA, November 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, November 30, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 30, 2021、Reuters, November 30, 2021、SANA, November 30, 2021、SOHR, November 30, 2021などをもとに作成。

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