米主導の有志連合がイドリブ県との県境に近いアレッポ県西部で空挺作戦を敢行、外国人戦闘員と激しく交戦か?(2022年2月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、ステップ・ニュース(2月2日付)などによると、イドリブ県との県境に近いダイル・バッルート村上空に米主導の有志連合のF16戦闘機複数機とヘリコプター複数機が飛来し、同村西の地域一帯を機銃掃射した。

また、有志連合は同地で空挺作戦を行い、降下した兵士らは、ダイル・バッルート村西の学校近くにある民家にいる女性や子供に退去するよう拡声器で呼び掛け、その後この民家を急襲し、中にいた戦闘員と激しく交戦した。

作戦の目的は不明だが、外国籍の戦闘員を狙った攻撃だと思われる。

 

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シリア人権監視団によると、この攻撃に先立って、有志連合のヘリコプター複数機が、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市東のハッラーブ・ウシュク村およびジャラビーヤ村の近郊に位置するラファージュ・セメント工場に2回に分けて着陸した。

ラファージュ・セメント工場は、2016年3月に米軍が基地を設置、2019年10月まで駐留していた。

現在は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が駐留、これを管理している。

ヘリコプター複数機は2時間ほど基地に滞在したのち、アイン・アラブ市方面に向かったという。

ヘリコプターが飛来した理由は不明だが、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員をグワイラーン刑務所から別の刑務所に移送するのが目的だとの情報もある。

AFP, February 2, 2022、ANHA, February 2, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2022、Reuters, February 2, 2022、SANA, February 2, 2022、SOHR, February 2, 2022、Step News, February 2, 2022などをもとに作成。

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