アリー・マムルーク国民安全保障会議議長は、イランを訪問し、首都テヘランでアリー・シャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長と会談し、最近の国際情勢の変化や中東地域への影響、「テロとの戦い」や、シリア国内での米国によるテロ組織再生の試みに対するシリアとイラクの協力のありようについて意見を交わした。
SANA(2月27日付)によると、マムルーク議長は会談で、「テロとの戦い」におけるシリアとイランの協力が中東地域の地域安全保障を支えるとしたうえで、地域諸国が一丸となって過激派の根絶にむけた取り組むよう呼び掛けた。
また、シリアでの「テロとの戦い」に対するイランの役割を高く評価し、両国の殉教者の血にかけて協力を継続することが重要だと強調した。
これに対して、シャムハーニー事務局長は、シリアでの「テロとの戦い」を改めて支援すると表明する一方、米国がシリア国内でテロ組織への武器供与、教練、指導などの動きを強めていると指摘、こうした動きがシリアだけでなく、地域の安全保障を揺るがすと非難した。
また、米国は世界の国々に対する覇権を確立し、その富を奪おうと国際社会や中東地域の危機を作り出していると指弾、シリアの国土の一部を米国が占領していることが、同国の治安と安定回復における最大の障害となっているとの見方を示した。
そのうえで、イランがシリアの国民と政府に寄り添い続けることを確認し、さまざまな分野でさらなる二国間合意を交わしていく必要があると述べた。
AFP, February 27, 2022、ANHA, February 27, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2022、Reuters, February 27, 2022、SANA, February 27, 2022、SOHR, February 27, 2022などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.