欧州への移住を希望していたアフガニスタン人がトルコで拘束され、シリアのイドリブ県に強制的に出国させられ、1カ月拘留の末、なす術もないまま同地に留まる(2022年3月31日)

ミドル・イースト・アイ(3月31日付)は、アフガニスタンのジャララバードから欧州に向かおうとしていたアフガニスタン人4人が、経由地のトルコのアンカラで当局に拘束され、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るシリア北西部のイドリブ県に強制出国させられていたと伝えた。

ナスルッラーを名乗る4人のうちの1人は、自分たちがアフガニスタン人であると伝えたにもかかわらず、トルコ当局はイドリブ県のヒルバト・ジャウズ村にトルコ側が違法に設置している国境通行所からシリア領内に強制的に出国させられたと証言している。

ナスルッラー氏は、アターッラー、ハヤーリー・ジュール、サクヤーッラーを名乗る3人の仲間とともに、ターリバーンの支配を逃れてトルコに向けて脱出、その際に1人につき、1,100米ドルを支払わされたという。

4人は当初、当局からギリシャ経由でアフガニスタンに強制送還されると聞かされていたが、騙されてシリアに強制的に入国させられた。

シリアのイドリブ県では、イランとつながりがあると疑われ、シャーム解放機構の総合治安機関のもとで1カ月にわたり拘留されたという。

彼らは現在、トルコに戻ったのち、欧州に移住することを望んでいるが、シリア北部で職を得る機会がないために、そのための資金が得られないでいるという。

AFP, April 1, 2022、ANHA, April 1, 2022、al-Durar al-Shamiya, April 1, 2022、Middle East Eye, March 31, 2022、Reuters, April 1, 2022、SANA, April 1, 2022、SOHR, April 1, 2022などをもとに作成。

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