アムネスティ・インターナショナルは和解プロセス下でのシリア政府の包囲、殺害、強制退去を「人道に対する犯罪」と非難(2017年11月13日)

アムネスティ・インターナショナルは「Syria: ‘Surrender or Starve’ Strategy Displacing Thousands Amounts to Crimes against Humanity」と題した新たな報告(https://www.amnesty.org/en/documents/mde24/7309/2017/en/)を発表し、「激しい空爆のなか、シリア政府と反体制派の間で交わされたいわゆる「和解」のもとで、市民には退去か死以外の選択肢しかない」と指摘し、数千人の市民に劣悪な状況下での生活を強い、命を奪っているシリア政府の包囲、殺害、強制退去が「人道に対する犯罪」にあたると非難した。

報告書は、2017年4月から7月にアムネスティ・インターナショナルの調査員が、強制退去を余儀なくされた住民、国際人道活動家・専門家、ジャーナリスト、国連職員134人に対して直接面談、電話、E-mail、オンライン・チャット、メッセージ・アプリを通じて行ったインタビュー、ビデオ映像、衛星画像をもとに作成された。

2017年10月にシリア政府、ロシア政府、アル=カーイダ系武装組織の一つシャーム自由人イスラーム運動に、収集した情報の真偽を確認するための書簡を送ったが、シリア、ロシア両政府からの回答はなかった。シャーム自由人イスラーム運動は10月27日に回答があった。

Amnesty International, November 13, 2017

AFP, November 13, 2017、ANHA, November 13, 2017、AP, November 13, 2017、ARA News, November 13, 2017、Champress, November 13, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2017、al-Hayat, November 14, 2017、al-Mada Press, November 13, 2017、Naharnet, November 13, 2017、NNA, November 13, 2017、Reuters, November 13, 2017、SANA, November 13, 2017、UPI, November 13, 2017などをもとに作成。

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サウジアラビア政府は11月22~24日にリヤドでシリア反体制派の拡大会合を開催すると発表(2017年11月13日)

SPA(11月13日付)は、サウジアラビア政府が、首都リヤドで11月22日から24日にかけて、ジュネーブ会議再開に向け、シリアの反体制派の意見をすり合わせるための拡大会合を招致すると発表した。

AFP, November 13, 2017、ANHA, November 13, 2017、AP, November 13, 2017、ARA News, November 13, 2017、Champress, November 13, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2017、al-Hayat, November 14, 2017、al-Mada Press, November 13, 2017、Naharnet, November 13, 2017、NNA, November 13, 2017、Reuters, November 13, 2017、SANA, November 13, 2017、SPA, November 13, 2017、UPI, November 13, 2017などをもとに作成。

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イラン外務省報道官「ダーイシュ撲滅後もシリア国内に軍を駐留させる」(2017年11月13日)

イラン外務省のブラハーム・カーセミー報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)撲滅後もシリア国内にイラン軍を駐留させ続けると述べた。

カーセミー報道官は「シリアにおけるイラン軍の駐留はシリア政府の要請によるものであり…、ダーイシュを完全に殲滅しても、シリアに留まり、シリア政府とさまざまなかたちで協力を続けることになる」と述べた。

なお、この発言に先立ち、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、米国とロシアがシリア国内で停戦にいたるまで、必要に応じて、シリア国境を越境して活動を続ける旨、両国に伝えたと述べていた。

『ハヤート』(11月14日付)が伝えた。

AFP, November 13, 2017、ANHA, November 13, 2017、AP, November 13, 2017、ARA News, November 13, 2017、Champress, November 13, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2017、al-Hayat, November 14, 2017、al-Mada Press, November 13, 2017、Naharnet, November 13, 2017、NNA, November 13, 2017、Reuters, November 13, 2017、SANA, November 13, 2017、UPI, November 13, 2017などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が会談、ロジャヴァの拠点都市アフリーン市の処遇などについて協議(2017年11月13日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアのソチを訪問し、ヴラジミール・プーチン大統領と会談した。

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エルドアン大統領は、ロシアに向かう前にイスタンブールで記者会見を開き、12日のプーチン大統領とドナルド・トランプ米大統領の共同声明に関して、「この声明を理解するのは私に葉問題だ。なぜなら、シリアでの軍事的解決を考慮に入れていないのなら、そう言った者たちは、部隊を撤退させねばならないからだ…。これについてはプーチン大統領と議論されることになる」と述べ、シリア領内に軍部隊を駐留させている両国を暗に批判した。

エルドアン大統領はまた、「トルコはシリア北西部のアフリーン市からの脅威を無視することはできない。我々はクルド人部隊に対して必要な措置を講じざるを得ない」と述べ、米国とロシアの支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への対応について、プーチン大統領と協議する意向を示した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月13日付)、RT(11月13日付)ANHA(11月13日付)などが伝えた。

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会談の冒頭、プーチン大統領は「両国関係はほぼ正常な状態に戻った」と述べた。

これに対して、エルドアン大統領は「我々の今日の会合が大きな効果をなすと確信している…。二国間関係の発展を勢いづけたい」と述べた。

『ハヤート』(11月14日付)によると、会談では、シリア情勢、とりわけ西クルディスタン移行期民政局の拠点都市の一つアフリーン市(アレッポ県)一帯の処遇、トルコへのS-400防空システムの供与などについて意見が交わされた。

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4時間にわたる会談後、プーチン大統領は、「トルコ、イランと協力することで、ロシアはシリアに具体的な成果をもたらし、対話に向けた環境を準備している…。ロシアは今後もトルコと共にシリアの危機解決を支援し続ける」と述べた。

一方、エルドアン大統領は「トルコとロシアはシリアでの政治的解決に集中することで合意した」と述べた。

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ソチでは、プーチン大統領が提案した「シリア諸国民大会」が18日に開催される予定だが、アスタナ会議に参加するシリア軍事革命諸勢力代表団、ジュネーブ会議に参加する反体制派の一つ最高交渉委員会が参加を拒否することで、開催が見送られていた。

AFP, November 13, 2017、ANHA, November 13, 2017、AP, November 13, 2017、ARA News, November 13, 2017、Champress, November 13, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2017、November 14, 2017、al-Hayat, November 14, 2017、al-Mada Press, November 13, 2017、Naharnet, November 13, 2017、NNA, November 13, 2017、Reuters, November 13, 2017、SANA, November 13, 2017、UPI, November 13, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県北東部の2カ村をシャーム解放機構から解放、ロシア軍はアレッポ県西部の反体制派拠点都市を爆撃(2017年11月13日)

ハマー県では、SANA(11月13日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに県北東部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦し、ハスナーウィー村、アブー・ガッル村を制圧した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月13日付)によると、ロシア軍戦闘機がアレッポ市西部にある反体制武装集団の拠点都市アターリブ市を3度にわたり爆撃し、30人以上が死傷した。

al-Durar al-Shamiya, November 13, 2017

AFP, November 13, 2017、ANHA, November 13, 2017、AP, November 13, 2017、ARA News, November 13, 2017、Champress, November 13, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2017、al-Hayat, November 14, 2017、al-Mada Press, November 13, 2017、Naharnet, November 13, 2017、NNA, November 13, 2017、Reuters, November 13, 2017、SANA, November 13, 2017、UPI, November 13, 2017などをもとに作成。

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ダイル・ザウル航空基地入口でダーイシュが自爆、シリア軍兵士多数が死傷(2017年11月13日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(11月13日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員がダイル・ザウル市近郊のダイル・ザウル航空基地入口に配備されていたシリア軍部隊に対して自爆ベルトを着用して特攻し、兵士多数が死傷した。

al-Durar al-Shamiya, November 13, 2017

AFP, November 13, 2017、ANHA, November 13, 2017、AP, November 13, 2017、ARA News, November 13, 2017、Champress, November 13, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2017、al-Hayat, November 14, 2017、al-Mada Press, November 13, 2017、Naharnet, November 13, 2017、NNA, November 13, 2017、Reuters, November 13, 2017、SANA, November 13, 2017、UPI, November 13, 2017などをもとに作成。

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シリア赤新月社と国連の支援チームは東グータ地方のドゥーマー市に人道支援物資を搬入(2017年11月13日)

ダマスカス郊外県では、SANA(11月13日付)によると、ラフマーン軍団、イスラーム軍などの反体制武装集団が活動を続ける東グータ地方のドゥーマー市に、シリア赤新月社と国連の支援チームが人道支援物資(貨物車輌24台分)を搬入した。

SANA, November 13, 2017

AFP, November 13, 2017、ANHA, November 13, 2017、AP, November 13, 2017、ARA News, November 13, 2017、Champress, November 13, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 13, 2017、al-Hayat, November 14, 2017、al-Mada Press, November 13, 2017、Naharnet, November 13, 2017、NNA, November 13, 2017、Reuters, November 13, 2017、SANA, November 13, 2017、UPI, November 13, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は6件の違反を確認(2017年11月13日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(11月13日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県4件、ヒムス県1件、ダルアー県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも6件(アレッポ県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県5件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

シリア政府との停戦に応じた自治体は現在、2,267市町村、武装組織の数は234組織。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 13, 2017をもとに作成。

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米主導の有志連合は1週間ぶりにシリア、イラクでの爆撃実績を発表、12日までの7日間でダイル・ザウル市近郊などに25回の爆撃を実施(2017年11月13日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月5、7~12日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

11月5日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し2回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は1回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

11月7日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し4回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は1回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

11月8日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は1回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

11月9日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し2回の空爆を実施、このうちシリア領内では空爆は実施されなかった。

11月10日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し15回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は8回で、シャッダーディー市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(7回)に対して行われた。

11月11日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して13回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は5回で、シャッダーディー市近郊(1カ所)、ダイル・ザウル市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

11月12日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して11回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ブーカマール市近郊(1カ所)、シャッダーディー市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(7回)に対して攻撃が行われた。

なお、11月4、6日の空爆実績は発表されなかった。

CENTCOM, November 13, 2017をもとに作成。

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