シリア軍はブーカマール市(ダイル・ザウル県)の完全制圧に続いて、マヤーディーン市とブーカマール市を結ぶ観戦道路の制圧をめざす(2017年11月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団の実施的指揮のもと、シリア軍を主体とする部隊がブーカマール市でのダーイシュ(イスラーム国)の掃討を完了し、同市を完全制圧した。

なお、ブーカマール市解放作戦全体でのシリア軍および親政権民兵の死者は82人、うち、シリア軍兵士28人、ヒズブッラー戦闘員15人、39人はイラク人民動員隊、イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団隊員だという。

また、ブーカマール市一帯での戦闘でも、イラク人民動員隊30人以上が戦死したという。

これに対して、ダーイシュの死者は70人以上、うち14人が自爆攻撃によるという。

また、「虎」の愛称で知られるスハイル・ハサン准将指揮下のシリア軍地上部隊は、マヤーディーン市とブーカマール市の間(スバイハーン市とドゥワイル村の間)に位置するキシュマ村をダーイシュから奪還した。

AFP, November 20, 2017、ANHA, November 20, 2017、AP, November 20, 2017、ARA News, November 20, 2017、Champress, November 20, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 20, 2017、al-Hayat, November 21, 2017、al-Mada Press, November 20, 2017、Naharnet, November 20, 2017、NNA, November 20, 2017、Reuters, November 20, 2017、SANA, November 20, 2017、UPI, November 20, 2017などをもとに作成。

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22日にリヤドで開幕予定の反体制派拡大会合の主目的はジュネーブ会議の反体制派統一代表団の輩出(2017年11月20日)

サウジアラビアの首都リヤドで反体制派の拡大会合(リヤド2大会)の開催(11月22日から24日)を直前に控え、会合に出席を予定している無所属の活動家ハーリド・マハーミード氏は『ハヤート』(11月21日付)に対して、三つのプラットフォーム(リヤド、モスクワ、カイロ)がヴィジョンを一つにし、統一代表団を結成するうえでの最大の障害は、反体制派個々人の政治的意識の未成熟にあると批判した。

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一方、ジュネーブ会議においてカイロ・プラットフォームの代表団長を務めるフィラース・ハーリディー氏は、『ハヤート』(11月21日付)に対して、「リヤドでの大会は、すべての勢力に共通のヴィジョンに基づいて、最高交渉委員会をより真摯なかたちで再生産するものとなる…。新たな骨格のもとに作り出される(新たな)最高交渉委員会は、次回のジュネーブでの会合で反体制派の唯一の代表になるだろう」と述べた。

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また、シリア革命反体制勢力国民連立のアブドゥルイラーフ・ファフド前事務局長も『ハヤート』(11月21日付)に対して、会合の主な目的は「新たな委員会の再選出することで、そこからジュネーブ会議の統一代表団が輩出される」と述べた。

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ヒジャーブ氏に続いて最高交渉委員会の有力幹部複数名も脱会(2017年11月20日)

最高交渉委員会内の複数の消息筋によると、リヤード・ヒジャーブ元首相が代表(総合調整役)からの辞意を表明したのに続いて、サーリム・ムスラト報道官、スハイル・アタースィー女史、リヤード・ナアサーン・アーガー氏、アブドゥルアズィーズ・シャッラール少将、アブー・バクル中佐、アブー・ウサーマ・ジャウラーニー少佐、サーミル・ハッブーシュ氏、アブドゥルハキーム・バッシャール氏(クルド民族主義者)ら有力幹部も脱会を表明した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月20日付)が伝えた。

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リヤドでの反体制派拡大会合を2日後に控え、リヤド・プラットフォームを主導する最高交渉委員会代表のヒジャーブ元首相が辞意を表明(2017年11月20日)

サウジアラビアの首都リヤドで反体制派の拡大会合(リヤド2大会)の開催(11月22日から24日)を直前に控え、リヤド・プラットフォームを主導する最高交渉委員会の代表(総合調整役)を務めるリヤード・ヒジャーブ元首相は声明を出し、革命の原則に順じ、「アサドを受け入れようとする路線への逸脱の試み」を拒否するとし、辞意を表明した。

ヒジャーブ氏は、国内外で活動する反体制政治活動家のなかでもっとも高位の公職(首相)に就いた経歴を持ち、アサド政権の打倒とそれに代わる新政権の樹立(そしてその首班への就任)にもっとも強くこだわっていたとされる人物。

al-Durar al-Shamiya, November 20, 2017
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アレッポ県西部でYPGがトルコ軍監視所を砲撃、トルコ軍も応戦(2017年11月20日)

アレッポ県では、アナトリア通信(11月20日付)によると、アフリーン市一帯を支配下に置く西クルディスタン移行期民政局の人民防衛隊が、県西部各所にトルコ軍が最近になって設置した監視所を砲撃した。

同通信によると、人民防衛隊が撃った迫撃砲弾5発がダーラト・イッザ市にあるトルコ軍の監視所一帯に着弾、また1発がカルアト・サムアーン山近郊にある監視所近くに着弾、また複数発が民家の近くに着弾したという。

これを受け、スィムアーン山近郊に駐留するトルコ軍部隊が人民防衛隊の拠点に対して砲撃した。

AFP, November 20, 2017、Anadolu Ajansı, November 20, 2017、ANHA, November 20, 2017、AP, November 20, 2017、ARA News, November 20, 2017、Champress, November 20, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 20, 2017、al-Hayat, November 21, 2017、al-Mada Press, November 20, 2017、Naharnet, November 20, 2017、NNA, November 20, 2017、Reuters, November 20, 2017、SANA, November 20, 2017、UPI, November 20, 2017などをもとに作成。

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米軍特殊部隊はダイル・ザウル県で過去最大規模の空挺作戦を実施、ダーイシュの外国人幹部を捕捉(あるいは工作員を救出)(2017年11月20日)

ジュルフ・メディア(11月20日付)は、有志連合を主導する米軍特殊部隊が、ダーイシュ(イスラーム国)支配下のダイル・ザウル県東部のガラーニージュ市で17日晩に過去最大規模の空挺作戦を実施したと伝えた。

同メディアによると、有志連合はガラーニージュ市および周辺地域を重点的に爆撃、その後3機の米軍ヘリコプターが飛来し、1時間にわたって同地のダーイシュ戦闘員に対して攻撃を行った。

その後、降下した空挺部隊が市内のラービド地区にあるダーイシュの拠点複数カ所に突入し、シリア人戦闘員8人を殺害、外国人司令官複数名を捕捉したという。

ただし、外国人司令官複数名は有志連合の工作員で、捕捉されたのではなく、救出されたの見方もある。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月20日付)によると、飛来したヘリコプターは2機で、ダーイシュの戦闘員約10人をブーカマール市郊外の砂漠地帯(ハスヤーン地区)で収容したという。

収容された戦闘員はバイクや車で砂漠地帯に脱出、これらの車輌は収容後に有志連合の戦闘機によって破壊されたという。

al-Durar al-Shamiya, November 20, 2017

AFP, November 20, 2017、ANHA, November 20, 2017、AP, November 20, 2017、ARA News, November 20, 2017、Champress, November 20, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 20, 2017、al-Hayat, November 21, 2017、Jorf Media, November 20, 2017、al-Mada Press, November 20, 2017、Naharnet, November 20, 2017、NNA, November 20, 2017、Reuters, November 20, 2017、SANA, November 20, 2017、UPI, November 20, 2017などをもとに作成。

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ムスリム同胞団のワリード最高監督者「革命の退行の責任は欧米諸国などの自称「シリアの友」にある」(2017年11月20日)

トルコで活動を続けるシリア・ムスリム同胞団のムハンマド・ヒクマト・ワリード最高監督者はアラビー21(11月20日付)のインタビューに応じ、そのなかで「シリア国民の友」を名乗る国々に、反体制派の革命が軍面と政治面を分断し、退行してしまったことの責任がある」と述べ、欧米諸国、サウジアラビア、カタール、トルコといった国々を非難した。

ヒクマト氏はまた、「人口動態の変化、樽爆弾、サリン・ガス、(ロシア海軍)潜水艦から発射されるミサイル、ファーティマの民兵(アフガン人)の参加によって、政治的ではなく、軍事的解決が承認されてしまった…。国際社会は政治的解決開始に向けてダーイシュ(イスラーム国)の殲滅を期待していたのではなかった…。政権こそがダーイシュ登場以前、そして殲滅後も政治的解決に抗ってきた」と主張した。

al-Durar al-Shamiya, November 20, 2017

AFP, November 20, 2017、ANHA, November 20, 2017、AP, November 20, 2017、ARA News, November 20, 2017、Arabi 21, November 20, 2017、Champress, November 20, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 20, 2017、al-Hayat, November 21, 2017、al-Mada Press, November 20, 2017、Naharnet, November 20, 2017、NNA, November 20, 2017、Reuters, November 20, 2017、SANA, November 20, 2017、UPI, November 20, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はラッカ市内3地区の自治をラッカ市文民評議会、ラッカ市内務治安部隊に移管(2017年11月20日)

ラッカ県では、ANHA(11月20日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市のマシュラブ地区、タイヤール地区、ジャズラ地区の3地区の自治をラッカ市文民評議会と同市の内務治安部隊に移管した。

ANHA, November 20, 2017

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反体制武装集団によるダマスカス県・ダマスカス郊外県への砲撃が続く(2017年11月20日)

ダマスカス県では、SANA(11月20日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が、ハーリド・ブン・ワリード通り、ムジュタヒド地区ファイハー・スポーツ・サロンに着弾し、4人が死亡、183人が負傷した。

犠牲となった4人のうち2人は、シリアの柔道ナショナル・チームのメンバーだった。

反体制武装集団が撃った迫撃砲弾はまた、アルヌース広場にも着弾したが、死傷者はなかった。

一方、ロシア外務省は声明を出し、ロシア大使館の居住ブロックの外壁に迫撃砲弾1発が着弾し、施設の壁、電気系統、水道施設が損害を受けたと発表、「シリア領内で和平を望まない武装集団」によって「女性、子どもとといった民間人だけでなく、ロシア代表部も意図的に狙われている」と非難し、欧米諸国に対してこうした行為を黙認しないよう訴えた。

これらの砲撃に対して、シリア軍も応戦し、ダマスカス郊外県東グータ地方各所を砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(11月20日付)によると、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がジャルマーナー氏を砲撃し、子ども1人が死亡した。

これらの砲撃に対して、シリア軍も応戦し、ダマスカス郊外県東グータ地方各所を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(11月20日付)によると、「彼らが不正を働いた」の戦いと銘打って攻撃を激化させているシャーム解放機構、ラフマーン軍団などからなる武装集団がハラスター市の前線で共和国護衛隊の部隊を要撃し、多数の兵士を殺害した。

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クナイトラ県では、SANA(11月20日付)によると、アル=カーイダ系のシャーム解放機構などからなる反体制武装集団がバアス市の福祉地区を砲撃し、3人が負傷した。

シャーム解放機構らはまた、ハミーディーヤ村に対しても砲撃を行い、少なくとも3人が負傷した。

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ハマー県では、SANA(11月20日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、県北東部(サアン町北方)のシュハイティル村一帯でアル=カーイダ系のシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討作戦を継続し、同村を制圧した。

一方、シャーム解放機構に近いイバー通信(11月20日付)によると、シャーム解放機構はシリア軍との戦闘の末にシュハイティル村、タッラト・バリールを奪還したという。

AFP, November 20, 2017、ANHA, November 20, 2017、AP, November 20, 2017、ARA News, November 20, 2017、Champress, November 20, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 20, 2017、al-Hayat, November 21, 2017、al-Mada Press, November 20, 2017、Naharnet, November 20, 2017、NNA, November 20, 2017、Reuters, November 20, 2017、SANA, November 20, 2017、UPI, November 20, 2017、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, November 20, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は6件の違反を確認(2017年11月20日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(11月20日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県1件、ヒムス県2件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも6件(アレッポ県1件、イドリブ県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、ダルアー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の3カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,276市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 20, 2017をもとに作成。

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米主導の有志連合は17~19日までの3日間での爆撃実績を発表、初めて爆撃を実施しなかったことを明らかにする(2017年11月20日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月17~19日の3日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

11月17日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は4回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、ブーカマール市近郊(3回)に対して行われた。

11月18日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し8回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は3回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、ブーカマール市近郊(2回)に対して行われた。

11月19日はシリア、イラク領内で空爆は実施されなかった。

CENTCOM, November 20, 2017をもとに作成。

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