日本は国連とOPCWの合同査察機構(JIM)の任期を30日延長する決議案を提出するも、ロシアが拒否権を発動、JIMは任期を終える(2017年11月17日)

国連安保理で、シリアでの化学兵器使用に関する調査を行う国連および化学兵器禁止機関(OPCW)の合同査察機構(Joint Investigation Mechanism、JIM)の任期(2017年11月18日)延長に関して15日に日本が提案した決議案が審議された。

日本が示した決議案は、米ロ双方の決議案が否決されたことを受けたもので、JIMの任期を暫定的に30日延長するとともに、20日以内にアントニオ・グテーレス事務総長にJIMの「構造と方法」にかかる改編案を提示することが定められていた。

しかし、ロシアはこの提案に対して拒否権を発動し、またボリビアが反対、中国が棄権することで、廃案となった。

拒否権を発動した理由に関して、ロシアのヴァシリー・ネヴェンツィア国連代表大使は「JIMのメカニズムが短期間であっても延長することは認められない」と述べた。

SANA(11月18日付)が伝えた。

SANA, November 18, 2017

なお、シリア内戦をめぐってロシアが拒否権を発動するのはこれが11回目。JIMは11月18日に任期を終了した。

AFP, November 18, 2017、ANHA, November 18, 2017、AP, November 18, 2017、ARA News, November 18, 2017、Champress, November 18, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 18, 2017、al-Hayat, November 19, 2017、al-Mada Press, November 18, 2017、Naharnet, November 18, 2017、NNA, November 18, 2017、Reuters, November 18, 2017、SANA, November 18, 2017、UPI, November 18, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室は支配地域へのシリア赤新月社、国連、赤十字国際委員会の人道支援を拒否(2017年11月17日)

アレッポ県では、トルコ軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室が声明を出し、シリア赤新月社、国連、赤十字国際委員会の支援チームが、県北部の支配地域(「安全地帯」)に人道支援物資を搬入することを拒否すると発表した。

声明では「こうした支援は、政権がシリア赤新月社という諜報機関を通じて、バーブ市に人道支援を搬入するという口実で、(我々の支配)地域に侵入しようとするもので…人民のニーズを保障していると見せ掛けようとしている」と非難した。

al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017

AFP, November 17, 2017、ANHA, November 17, 2017、AP, November 17, 2017、ARA News, November 17, 2017、Champress, November 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017、al-Hayat, November 18, 2017、al-Mada Press, November 17, 2017、Naharnet, November 17, 2017、NNA, November 17, 2017、Reuters, November 17, 2017、SANA, November 17, 2017、UPI, November 17, 2017などをもとに作成。

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ハタイ県知事「対シリア国境に建設中の防護壁は来年初めに完成」(2017年11月17日)

ハタイ県のアルダル・アタ県知事はアナトリア通信(11月17日付)に対して、同県のシリア国境地帯に建設中の防御壁が来年初めには完成するだろうと述べた。

アタ県知事によると、壁の総延長は230キロにおよび、現時点で201キロが完成しているという。

al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017

AFP, November 17, 2017、Anadolu Ajansı, November 17, 2017、ANHA, November 17, 2017、AP, November 17, 2017、ARA News, November 17, 2017、Champress, November 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017、al-Hayat, November 18, 2017、al-Mada Press, November 17, 2017、Naharnet, November 17, 2017、NNA, November 17, 2017、Reuters, November 17, 2017、SANA, November 17, 2017、UPI, November 17, 2017などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「ダーイシュを作り出した者がYPGを作り出した…。アフリーン市からPYDを排除する」(2017年11月17日)

レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は首都アンカラで公正発展党(AKP)の地方幹部らを前に行った演説で、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党(PYD)に対する米国の支援を厳しく非難した。

エルドアン大統領は「残念ながら、米国はシリアでの約束を守っていない。テロ組織を殲滅せずに彼らと協力し、支援してきた…。米国は、一部のテロ組織を支援することで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)やダーイシュ(イスラーム国)に対する戦争の妨げとなっている…。ダーイシュを作り出した者がPYDを作り出したのだ…米国は、ラッカ市、マンビジュ市、ダイル・ザウル市などシリア各地での問題で我々には協力しなかった…。我々はアフリーン市を浄化し、PYDを排除せねばならない」と述べた。

ドゥラル・シャームーヤ(11月17日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017

AFP, November 17, 2017、ANHA, November 17, 2017、AP, November 17, 2017、ARA News, November 17, 2017、Champress, November 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017、al-Hayat, November 18, 2017、al-Mada Press, November 17, 2017、Naharnet, November 17, 2017、NNA, November 17, 2017、Reuters, November 17, 2017、SANA, November 17, 2017、UPI, November 17, 2017などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構とヌールッディーン・ザンキー運動が停戦合意(2017年11月17日)

アレッポ県西部で衝突を繰り返していたアル=カーイダ系組織のシャーム解放機構とヌールッディーン・ザンキー運動が5項目からなる和解停戦合意を交わした。

合意は、発砲停止、動員解除、検問所撤廃、街道開放、捕虜交換、紛争解決に向けた合同委員会の設置などを骨子とする。

ドゥラル・シャームーヤ(11月17日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017

AFP, November 17, 2017、ANHA, November 17, 2017、AP, November 17, 2017、ARA News, November 17, 2017、Champress, November 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017、al-Hayat, November 18, 2017、al-Mada Press, November 17, 2017、Naharnet, November 17, 2017、NNA, November 17, 2017、Reuters, November 17, 2017、SANA, November 17, 2017、UPI, November 17, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス郊外県でシャーム自由人イスラーム運動、ハマー県でシャーム解放機構などからなる武装集団と交戦(2017年11月17日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャームーヤ(11月17日付)によると、ラフマーン軍団などとともに「彼らが不正を働いた」と銘打った作戦を継続するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は、ハラスター市一帯でシリア軍ど交戦、同市郊外の車輌管理局の施設に突入した。

これに対して、シリア軍は、東グータ地方(ハラスター市、アルバイン市、マディーラー市、ドゥーマー市、ハッザ町、ハムーリーヤ市、ザマルカー町、ミスラバー市、シャイフーニーヤ村)を空爆・砲撃し、住民とホワイト・ヘルメット隊員合わせて数十人が死亡した(シリア人権監視団によると、子ども6人を含む10人が死亡)。

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ハマー県では、ドゥラル・シャームーヤ(11月17日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構が「自由シリア軍」(イッザ軍、ナスル軍、イドリブ自由軍)とともに、県北東部でシリア軍と交戦した。

また、SANA(11月17日付)によると、シリア軍が県北東部のハーズィム村、ラブダ村でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, November 17, 2017、ANHA, November 17, 2017、AP, November 17, 2017、ARA News, November 17, 2017、Champress, November 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017、al-Hayat, November 18, 2017、al-Mada Press, November 17, 2017、Naharnet, November 17, 2017、NNA, November 17, 2017、Reuters, November 17, 2017、SANA, November 17, 2017、UPI, November 17, 2017などをもとに作成。

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イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団のソレイマーニー司令官がブーカマール市一帯の前線を視察(2017年11月17日)

ダイル・ザウル県では、SANA(11月17日付)によると、シリア軍がブーカマール市一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を重点的に爆撃、また同地で予備部隊とともにダーイシュと交戦した。

また、『ハヤート』(11月18日付)は、イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官が、イラク人民動員隊(ヌジャバー運動)の招聘を伴い、ブーカマール市一帯での戦闘を視察したと伝えた。

AFP, November 17, 2017、ANHA, November 17, 2017、AP, November 17, 2017、ARA News, November 17, 2017、Champress, November 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017、al-Hayat, November 18, 2017、al-Mada Press, November 17, 2017、Naharnet, November 17, 2017、NNA, November 17, 2017、Reuters, November 17, 2017、SANA, November 17, 2017、UPI, November 17, 2017などをもとに作成。

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ダーイシュはダイル・ザウル市近郊にYPG主体が設置した避難民仮設居住キャンプを自爆攻撃し、20人を殺害(2017年11月17日)

ダイル・ザウル県では、SANA(11月17日付)によると、ジャフラ村とCONOCOガス工場の避難民仮設居住センターに対してダーイシュ(イスラーム国)が爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行い、20人が死亡、30人が負傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(11月17日付)によると、仮設居住センターは西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が設営したもの。

一方、ANHA(11月17日付)によると、「ジャズィーラの嵐」作戦を続行中の西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、タナク油田南東部に進攻したダーイシュ(イスラーム国)と交戦、これを撃退した。

AFP, November 17, 2017、ANHA, November 17, 2017、AP, November 17, 2017、ARA News, November 17, 2017、Champress, November 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, November 17, 2017、al-Hayat, November 18, 2017、al-Mada Press, November 17, 2017、Naharnet, November 17, 2017、NNA, November 17, 2017、Reuters, November 17, 2017、SANA, November 17, 2017、UPI, November 17, 2017などをもとに作成。

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ロシア空軍の長距離戦略爆撃機がブーカマール市一帯のダーイシュ拠点を爆撃(2017年11月17日)

ロシア国防省は、ロシア空軍の長距離戦略爆撃機Tu-22M3部隊(6機)が、ロシア国内の航空基地から、イラン、イラク領空を経由してシリア領空に入り、ダイル・ザウル県ブーカマール市近郊のダーイシュ(イスラーム国)の司令拠点などを爆撃し、これを破壊したと発表した。

SANA, November 17, 2017

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 17, 2017をもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は1件の違反を確認(2017年11月17日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(11月17日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県2件、ヒムス県2件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、ラタキア県1件、ダルアー県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも1件(アレッポ県)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にヒムス県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,271市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, November 17, 2017をもとに作成。

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米主導の有志連合は13~16日までの4日間でダイル・ザウル市近郊などに13回の爆撃を実施(2017年11月17日)

米中央軍(CENTCOM)は、11月13~16日の4日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

11月13日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し7回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は3回で、ダイル・ザウル市近郊(2回)、ブーカマール市近郊(1回)に対して行われた。

11月14日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し12回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は4回で、ダイル・ザウル市近郊に対して行われた。

11月15日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し5回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は1回で、ダイル・ザウル市近郊に対して行われた。

11月16日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し10回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は5回で、ダイル・ザウル市近郊に対して行われた。

CENTCOM, November 17, 2017をもとに作成。

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