「決戦」作戦司令室はイドリブ県に飛来した有志連合所属と思われるドローンを迎撃(2020年8月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーリム市近郊のスンマーク山に展開する「決戦」作戦司令室の部隊が、超低空で飛来した所属不明の無人航空機(ドローン)を重火器で迎撃した。

ドローンは米主導の有志連合所属と見られる。

AFP, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がラッカ県を砲撃、ハサカ県でシリア民主軍と交戦(2020年8月9日)

ラッカ県では、ANHA(8月9日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、アイン・イーサー市近郊の フーシャーナー村に近いM4高速道路沿線を砲撃した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民軍が、タッル・タムル町近郊で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。

この戦闘で、国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の戦闘員2人が死亡した。

AFP, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

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政府支配下のダイル・ザウル市でアカイダート部族の族長と名士が、「アカイダート軍」を結成し、米軍とシリア民主軍への人民抵抗運動を開始すると発表(2020年8月9日)

ダイル・ザウル県では、SANA(8月9日付)によると、アカイダート部族の族長と名士が、シリア政府支配下のダイル・ザウル市で会合を開き、米国とシオニストの支援を受ける人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が住民に対して行っている攻撃や犯罪行為に対して一致団結して対応する必要を確認した。

ダイル・ザウル市内のアラブ・テントで開催された会合において発表された声明のなかで、族長と名士は、米国とシオニストの支援を受けるシリア民主軍が、あらゆるレッド・ラインに抵触し、祖国や社会に攻撃を加え、祖国の財産を略奪し、アカイダート部族の族長の一人のおじにあたるマトシャル・ハンムード・ジャドアーン・ハフル氏に代表される愛国的象徴を粛清したと非難した。

そのうえで、アカイダート部族の子息の願望に応えるべく政治評議会を設置し、国家と連携して、部族の子息からなるアカイダート軍を組織し、占領者(米国)、その手先、傭兵(シリア民主軍)に対する人民抵抗を開始すると宣言した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア民主軍がフライジーヤ村の名士の自宅に対して強制捜査を行い、名士の息子を逮捕、保管されていた名士の持ち物を押収した。

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ハサカ県では、SANA(8月9日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市のアラーヤー地区で、シリア民主軍が住民1に発砲し、殺害した。

同市の複数の住民が明らかにしたところによると、シリア民主軍は、兵役を拒否していたこの住民を追跡し、逮捕しようとした際に発砲、死に至らしめたという。

一方、北・東シリア自治局が運営するアリーシャ町の国内避難民(IDPs)キャンプ(アリーシャ・キャンプ)で火災が発生し、テント25張以上が焼失した。

ANHA(8月9日付)によると、死傷者はなかった。

キャンプには現在、14,000人のIDPsが収容されている。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会は、シリア政府支配地域への密輸に関与していたとしてメンバー約20人を逮捕した。

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ANHA(8月9日付)は、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯地域のアラブ系部族の族長と名士、アレッポ市シャイフ・マクスード地区の名望家らが、シリア民主軍支持を表明したと伝えた。

AFP, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で2人(2020年8月9日)

反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で8月9日に新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、同地での感染者数は計45人、うち回復したのは29人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1352545754950312/

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一方、シリア人権監視団はトルコ占領下のアレッポ県北部で、新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

感染者が確認されたのは、アレッポ県北部のバーブ・サラーマ国境通行所近くに設置されている国内避難民(IDPs)キャンプ。

これにより、6月9日以降、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」と占領地で確認された感染者数は計45人(うち20人は「解放区」、23人はトルコ占領地)、うち死亡したのは0人、回復したのは29人となった。

AFP, August 9, 2020、ACU, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

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保健省は政府支配地域で新たに63人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者15人が完治し、2人が死亡したと発表(2020年8月9日)

保健省は政府支配地域で新たに63人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者15人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、8月9日現在の同地での感染者数は計1,188人、うち死亡したのは52人、回復したのは346人となった。

SANA(8月9日付)が伝えた。

AFP, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍がイドリブ県に新たな拠点を設置、「決戦」作戦司令室とともにシリア軍を砲撃(2020年8月9日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから156日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配下のサーン村、ダイル・サンバル村、ザーウィヤ山地方一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

また「決戦」作戦司令室もシリア政府支配下のハーン・スブル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、カンスフラ村、マウザラ村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、ラタキア県クルド山地方に近いラーキム丘に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は71カ所となった。
(シリア人権監視団の計算だと67)

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市ラムル・ジャヌービー地区にある「ロシアの民兵」の住居に武装集団が押し入り、1人を殺害した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月11日付)によると、殺害されたのはアラー・ナージー・イード氏。

ロシアの民間軍事会社に雇われリビアでの戦闘に参加していた人物だという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県1件、ラタキア県3件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、August 11, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、August 10, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民412人と国内避難民(IDPs)27人が新たにシリア政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は584,733人、2019年以降帰還したIDPsは66,071人に(2020年8月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月9日付)を公開し、8月8日に難民412人(うち女性124人、子供210人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民412人(うち女性124人、子供210人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は584,733人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者189,897人(うち女性57,110人、子ども96,575人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,703,660人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は814,425人(うち女性244,386人、子供415,066人)となった。

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一方、国内避難民27人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは27人(うち女性7人、子供8人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した27人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は27人(うち女性7人、子供8人)だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は66,071人(うち女性23,047人、子供27,192人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,334,667人(うち女性405,606人、子供670,958人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 9, 2020をもとに作成。

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