ハマー県北西部アイン・クルーム村の植林地で火災(2020年8月31日)

ハマー県では、SANA(8月31日付)によると、県北西部のガーブ地方(スカイラビーヤ郡)のイナーブ村、アブー・クライフーン村、アイン・クルーム村の植林地で火災が発生し、火が民家に迫り、ハマー県の消防隊や民間防衛隊(ホワイト・ヘルメットではない正規の組織)が消火作業にあたった。

出火の原因は不明だが、火の不始末、あるいは放火によると思われる。

AFP, August 31, 2020、ANHA, August 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2020、Reuters, August 31, 2020、SANA, August 31, 2020、SOHR, August 31, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノンで駐ドイツ大使を務めるムスタファー・アディーブ氏が首相に指名される(2020年8月31日)

レバノンのミシェル・アウン大統領は、駐ドイツ大使を務めるムスタファー・アディーブ氏を首相に指名し、組閣を命じた。

首相指名は、国民議会(定数128人、欠員8人)で議員90人がアディーブ氏を首相に推薦したのを受けたもの。

議会では、サアド・ハリーリー元首相が率いる最大会派のムスタクバル・ブロックが、自由国民潮流が主導する強いレバノン・ブロック(旧変化改革ブロック)、ヒズブッラーを軸とする抵抗への忠誠ブロック、アマル運動を軸とする開発開放ブロックなどとともに、アディーブ首相を推薦したが、入閣を辞退する意向を示した。

また、タイムール・ジュンブラート議員が率いる民主会合ブロックも組閣を辞退している。


一方、サミール・ジャアジャア氏が率いるレバノン軍団を軸とする強い共和国ブロックは、前国連大使を務めるナウワーフ・サラーム氏を首相に推薦した。

レバノンでは、8月4日のベイルート港での大規模爆発事件の責任をとるかたちで、ハッサーン・ディヤーブ首相が10日に内閣を総辞職していた。

AFP, August 31, 2020、ANHA, August 31, 2020、AP, August 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2020、Reuters, August 31, 2020、SANA, August 31, 2020、SOHR, August 31, 2020、UPI, August 31, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの外務副大臣、シリア民主軍の使節団がモスクワを訪問、ロシア外務省高官と会談(2020年8月31日)

トルコのセダット・オナル外務副大臣を代表とする使節団が、ロシアの首都モスクワを訪問し、アナトリア通信(8月31日付)によると、外務省高官とシリアおよびリビア情勢への対応について意見を交わした。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(8月31日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の使節団がロシア外務省の招きでモスクワを訪問、同省高官と会談した。

これに関して、トルコ外務省は声明を出し、シリア民主軍使節団のモスクワ訪問に懸念を表明した。

AFP, August 31, 2020、Anadolu Ajansı, August 31, 2020、ANHA, August 31, 2020、AP, August 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2020、Reuters, August 31, 2020、SANA, August 31, 2020、SOHR, August 31, 2020、UPI, August 31, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県アティマ村でシャーム解放機構によるイスラーム解放党メンバー摘発に抗議するデモ(2020年8月31日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アティマ村で、シャーム解放機構によるイスラーム解放党のメンバーへの摘発に抗議するデモが行われ、逮捕されたメンバーの家族の女性たち数十人が釈放を要求した。

AFP, August 31, 2020、ANHA, August 31, 2020、AP, August 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2020、Reuters, August 31, 2020、SANA, August 31, 2020、SOHR, August 31, 2020、UPI, August 31, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍は未明にゴラン高原の兵力引き離し地域で放火、夜にダルアー県、ダマスカス郊外県を爆撃、兵士多数が死傷(2020年8月31日)

クナイトラ県では、SANA(8月31日付)によると、イスラエル軍が未明、マジュダル・シャムス村東の兵力引き離し地域のラインAに沿って放火し、火災はシリア政府支配下のラインA北側の地雷原、牧草地、農地に拡大、敷設されていた地雷複数発が爆発した。

これに対して、クナイトラ県の消防隊と農業局の職員が消火活動にあたった。

**

その後、イスラエル軍は午後10時40分、占領下のゴラン高原から首都ダマスカス県の南(ダマスカス郊外県)をミサイル複数発で攻撃、シリア軍防空部隊が迎撃し、そのほとんどを撃破した。

しかし、このミサイル攻撃で、兵士2人が死亡、7人が負傷した。

一方、シリア人権監視団は、ダルアー県のイズラア市近郊のナーミル村の大隊基地、カルファー村の大隊基地、マハッジャ丘など、ヒズブッラーの部隊が展開している地域がミサイル攻撃を受け、甚大な物的被害が生じ、外国人3人を含む「イランの民兵」5人が死亡、10人以上が負傷したと発表した。

一方、AFP(8月31日付)は、シリア軍兵士3人、「イランの民兵」7人、民間人1人の合計11人が死亡したと伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月31日付)によると、ミサイル攻撃はまた、ダマスカス郊外県のダマスカス国際空港一帯、キスワ市一帯に対しても行われた。

AFP, August 31, 2020、ANHA, August 31, 2020、AP, August 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2020、Reuters, August 31, 2020、SANA, August 31, 2020、SOHR, August 31, 2020、UPI, August 31, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県CONOCOガス工場の米軍基地が2度にわたり砲撃を受ける(2020年8月31日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月31日付)によると、30日夜と31日早朝、北・東シリア自治局の支配下のユーフラテス川東岸に位置するCONOCOガス工場にある米軍の基地が何者かの砲撃を受けた。

死傷者はなかったが、駐留する米軍部隊は、迫撃砲が発射されたとみられるシリア政府支配下のフシャーム町を砲撃した。

一方、ANHA(8月31日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるズィーバーン町でアリー・フワイディー・アブー・サアド町議会議長が何者かの襲撃を受けて重症を負った。

**

ラッカ県では、SANA(8月31日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、北・東シリア自治局の支配下にあるジャルニーヤ町を包囲し、町の出入り口や、町内各所に検問所を設置し、一部戦闘員が住居に押し入り、女性3人を拘束し、連行した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアフタリーン市近郊のタッル・アール村の副議長が、オートバイに乗った2人組の襲撃を受けて死亡した。

AFP, August 31, 2020、ANHA, August 31, 2020、AP, August 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2020、Reuters, August 31, 2020、SANA, August 31, 2020、SOHR, August 31, 2020、UPI, August 31, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で62人、北・東シリア自治局支配地域で12人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で5人(2020年8月31日)

保健省は政府支配地域で新たに62人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者15人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、8月31日現在の同地での感染者数は計2,765人、うち死亡したのは112人、回復したのは629人となった。

SANA(8月31日付)が伝えた。

**

北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに12人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者3人が完治したと発表した。

これにより、8月31日現在の同地での感染者数は計556人、うち死亡したのは35人、回復したのは101人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市4人、カーミシュリー市4人、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市3人、ラッカ県ラッカ市1人。

ANHA(8月31日付)が伝えた。

**

反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で8月31日に新たに5人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、1人が完治したと発表した。

これにより、同地での感染者数は計80人、うち回復したのは56人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1372270319644522/

AFP, August 31, 2020、ACU, August 31, 2020、ANHA, August 31, 2020、AP, August 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2020、Reuters, August 31, 2020、SANA, August 31, 2020、SOHR, August 31, 2020、UPI, August 31, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がイドリブ県内に新たな拠点を設置(2020年8月31日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから178日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイルーン村、カンスフラ村、マウザラ村、カフル・ウワイド村、ハルーバ村、バーラ村、バイニーン村を砲撃し、バイルーン村で住民2人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室もシリア政府の支配下にあるダーナー村、ハントゥーティーン村を砲撃した。

また、シャーム解放機構が、M4高速道路沿線のタルナバ村近郊で、シリア軍兵士を狙撃、2人を殺害した。

一方、トルコ軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバイルーン村に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は72カ所となった。
(シリア人権監視団の計算だと68)

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘、バイルーン村
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタカード村、カフル・アンマ村、タディール村を砲撃した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、カフターニーヤ町にある総合情報部の検問所が何者かの襲撃を受け、2人が殺害された。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県5件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, August 31, 2020、ANHA, August 31, 2020、AP, August 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 31, 2020、Reuters, August 31, 2020、SANA, August 31, 2020、SOHR, August 31, 2020、UPI, August 31, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民411人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は593,615人に(2020年8月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月31日付)を公開し、8月30日に難民411人(うち女性123人、子供210人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民411人(うち女性123人、子供210人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は593,615人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者198,367人(うち女性59,649人、子ども100,895人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,705,117人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は822,895人(うち女性246,925人、子供419,386人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 31, 2020をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.