アサド大統領はベイルート港の爆発事件を受けてレバノンのアウン大統領に電報を送り、支援と連帯の意思を表明(2020年8月4日)

アサド大統領はレバノンのミシェル・アウン大統領に電報を送り、8月4日にベイルート港で発生した爆発に関して、姉妹国であるレバノンを支え、占領への抵抗を続ける同国民と連帯するとの意を伝えた。

アサド大統領の電報の内容は以下の通り:

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我々は多くの死傷者を出したベイルート港での大惨事に深い沈痛の念を禁じえない。

私、そしてシリア・アラブ人民の名において、あなたとレバノン国民に心から哀悼の意を表し、全能のアッラーに、犠牲者への慈悲と負傷者全員の一刻も早い回復を懇願する。

我々は、姉妹国レバノンを支え、抵抗する同国民と連帯すると明言したい。我々は、あなた方がこの悲劇的な事件の被害を克服し、迅速に被害から復興できると信じている。

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SANA(8月4日付)が伝えた。

AFP, August 4, 2020、ANHA, August 4, 2020、AP, August 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2020、Reuters, August 4, 2020、SANA, August 4, 2020、SOHR, August 4, 2020、UPI, August 4, 2020などをもとに作成。

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最近になってイドリブ県に派遣されたとトルコが報じたエジプト軍兵士を思わせる映像がツイッターで公開される(2020年8月4日)

「シャーミーヤ・ハワー_ダマスカス_ウシュキー」を名乗るツイッター・アカウント(https://twitter.com/B_N_T_sh)は、「イドリブ県郊外で自由シリア軍によって捕らえられた初のエジプト軍兵士」だとする映像を公開した。

42秒の映像には、シャツに血が男性が地面に座り込んで、軍人だという男性の尋問を受け、カイロ出身で、エジプト軍のムラービティーン大隊に所属しているなどと答える様子が写っている。

https://twitter.com/B_N_T_sh/status/1290309979451174913?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1290309979451174913%7Ctwgr%5E&ref_url=https%3A%2F%2Feldorar.com%2Fnode%2F154435

最近になってシリアに派遣されたとトルコのアナトリア通信が奉じていたエジプト軍部隊に所属する兵士を思わせる映像は、2015年7月1日に「クマム・マアーリー」を名乗るユーチューブのアカウントを通じて公開されていた男性と映像と同じもの。

AFP, August 5, 2020、ANHA, August 5, 2020、AP, August 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2020、Reuters, August 5, 2020、SANA, August 5, 2020、SOHR, August 5, 2020、UPI, August 5, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はマトシャル・ハンムード・ジャドアーン・ハフル氏殺害の背後に「自治局構想に敵対する勢力がいる」と断じる一方、シリア民主軍は蜂起が発生した村でダーイシュ摘発作戦を開始(2020年8月4日)

北・東シリア自治局は声明を出し、2日にダイル・ザウル県ハワーイジュ村近くでアカイダート部族の部族長のおじのマトシャル・ハンムード・ジャドアーン・ハフル氏が殺害された事件に関して「卑劣なテロ行為」、「悪意に満ちた目的やアジェンダを実現し、住民の不和を作り出そうとする」ものと非難したうえで、「自治局構想に敵対する勢力が暗殺の背後におり、自治局と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に嫌疑を向けようとしている」と断じた。

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シリア民主軍は声明を出し、内務治安部隊(アサーイシュ)と合同で、シュハイル村、ハワーイジュ村でのダーイシュ(イスラーム国)の細胞の摘発と壊滅を目的とした合同作戦を開始したと発表した。

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ラッカ県では、ANHA(8月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市西のアフダクー村を砲撃し、住民1人が負傷した。

AFP, August 4, 2020、ANHA, August 4, 2020、AP, August 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2020、Reuters, August 4, 2020、SANA, August 4, 2020、SOHR, August 4, 2020、UPI, August 4, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県で住民が蜂起、シリア民主軍と米軍が介入(2020年8月4日)

ダイル・ザウル県では、北・東シリア自治局支配下のズィーバーン町、ハワーイジュ村、ジュダイド・アカイダート村、ジャディート・ジュダイダト・バカーラ村、タヤーナ村、スブハ村、アブー・アブー・ナティール村、シュハイル村、シャンナーン村で、地元住民が蜂起した。

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ジスル(8月4日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(8月4日付)、SANA(8月4日付)によると、蜂起は、8月2日にズィーバーン町近くでアカイダート部の族長の一人のおじにあたるマトシャル・ハンムード・ジャドアーン・ハフル氏が殺害された事件に対する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍や北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)などの対応の不備に抗議するデモに端を発していた。

事件を防ぐことができなかったシリア民主軍の責任を追及し、米主導の有志連合に犯人の特定と逮捕を求めるなどして抗議の意思を示していた参加者は、道路でタイヤを焼くなどして次第に過激化、一部が武装し、シリア民主軍の検問所などを襲撃した。

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シリア人権監視団によると、シリア民主軍はダイル・ザウル県とハサカ県で「テロの盾」作戦と銘打って、ダーイシュの細胞の摘発を続けている。

だが、検問所での住民の逮捕・拘束、暴行、侮蔑、そして強制捜査を口実とした民家での略奪などに対する住民の不満が高まっていたという。

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一方、SANAは、8月3日にもズィーバーン町で抗議デモが発生していたとしたうえで、住民がシリア民主軍の退去を求めるとともに、米軍の占領に異議を唱えたと伝えた。

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武装した地元住民は、シュハイル村、ズィーバーン町、ハワーイジュ村からシリア民主軍を排除した。

ハワーイジュ村では、シリア民主軍が本部として転用していたハワーイジュ学校を制圧、焼き討ちにしたほか、ハンヴィー(HMMWV)1輌と四輪駆動車2台を破壊、シリア民主軍兵士2人を殺害した。

また、ジュダイド・アカイダート村では、デモ参加者がシリア民主軍の戦闘員7人を拘束、車輌3台と武器を奪って抵抗した。

さらに、スワル町南のナムリーヤ村の住民は、シャッダーディー市方面からシュハイル村に向かおうとしていたシリア民主軍の車列に対峙し、これを撃退させた。

これに対して、シリア民主軍はハサカ県シャッダーディー市、ダイル・ザウル県スーサ町、バーグーズ村、ウマル油田から大規模増援部隊を派遣し、検問所を再強化、実弾を使用して鎮圧にあたった。

これにより、ハワーイジュ村で住民6人が負傷し、シュハイル村の病院に搬送された。

また同村近郊では、男性1人が「正体不明の武装集団」(武装した住民)に撃たれて、即死した。

さらに、女性1人がシリア民主軍の「正体不明の武装集団」の撃ち合いに巻き込まれて死亡した。

米軍も戦闘機やヘリコプターを現地に派遣、シュハイル村、ズィーバーン町、ハワーイジュ村では戦闘機が上空を超音速で低空飛行し、住民を威嚇した。

AFP, August 4, 2020、ANHA, August 4, 2020、AP, August 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2020、al-Jisr Press, August 4, 2020、Reuters, August 4, 2020、SANA, August 4, 2020、SOHR, August 4, 2020、UPI, August 4, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で2人(2020年8月4日)

反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で8月4日に新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。

これにより、同地での感染者数は計38人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1348163812055173/

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一方、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアレッポ県北部で、新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認された。

これにより、6月9日以降、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」と占領地で確認された感染者数は計38人(うち17人は「解放区」、19人はトルコ占領地)、うち死亡したのは0人、回復したのは23人となった。

AFP, August 4, 2020、ACU, August 4, 2020、ANHA, August 4, 2020、AP, August 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2020、Reuters, August 4, 2020、SANA, August 4, 2020、SOHR, August 4, 2020、UPI, August 4, 2020などをもとに作成。

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保健省は政府支配地域で新たに45人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者15人が完治したと発表(2020年8月4日)

保健省は政府支配地域で新たに45人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者15人が完治したと発表した。

これにより、8月4日現在の同地での感染者数は計892人、うち死亡したのは46人、回復したのは283人となった。

SANA(8月4日付)が伝えた。

AFP, August 4, 2020、ANHA, August 4, 2020、AP, August 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2020、Reuters, August 4, 2020、SANA, August 4, 2020、SOHR, August 4, 2020、UPI, August 4, 2020などをもとに作成。

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シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県で交戦(2020年8月4日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから152日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府支配下のカフルナブル市、ハントゥーティーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードもカフルナブル市に近いザイトゥーン基地を砲撃した。

これに対して、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のザーウィヤ山地方のダイル・サンバル村、カンスフラ村、ファッティーラ村、マウザラ村、バイニーン村を砲撃、国民解放戦線に所属するシャームの鷹旅団の戦闘員1人が死亡した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約30輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がクルド山地方のブルカーン丘に設置されているシリア軍の拠点を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団が、タファス市とムザイリーブ町を結ぶ街道で治安要員1人を殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, August 4, 2020、ANHA, August 4, 2020、AP, August 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 4, 2020、Reuters, August 4, 2020、SANA, August 4, 2020、SOHR, August 4, 2020、UPI, August 4, 2020などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民101人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は583,636人に(2020年8月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月4日付)を公開し、8月3日に難民101人(うち女性30人、子供51人)が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民101人(うち女性30人、子供51人)、ヨルダンから帰国したのは0人。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は583,636人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者188,388人(うち女性56,657人、子ども95,806人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者395,248人(うち女性118,618人、子ども201,569人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,703,660人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は812,916人(うち女性243,933人、子供414,297人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 4, 2020をもとに作成。

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