トルコの占領下にある「オリーブの枝」地域内に位置するアレッポ県アフリーン市で、シャーム自由人イスラーム運動とスルターン・スライマーン・シャー師団が撃ち合いとなり、シャーム解放機構が介入(2023年7月19日)

アレッポ県では、ANHA(7月20日付)によると、トルコの占領下にある「オリーブの枝」地域内に位置し、シャーム解放機構が治安権限を握るアフリーン市で、シリア国民軍に所属するアル=カーイダ系組織の一つシャーム自由人イスラーム運動と、トルコマン人によって組織されるスルターン・スライマーン・シャー師団が撃ち合いとなり、双方と住民に多数の死傷者が出た。

戦闘開始から数時間後、シャーム解放機構が介入し、事態を収拾した。

AFP, July 20, 2023、ANHA, July 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2023、‘Inab Baladi, July 20, 2023、Reuters, July 20, 2023、SANA, July 20, 2023、SOHR, July 20, 2023などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ムハイミーダ村で、ダーイシュのスリーパーセルがアサーイシュの隊員1人を殺害(2023年7月19日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるムハイミーダ村で、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルが内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員1人を殺害した。

AFP, July 20, 2023、ANHA, July 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2023、‘Inab Baladi, July 20, 2023、Reuters, July 20, 2023、SANA, July 20, 2023、SOHR, July 20, 2023などをもとに作成。

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シリア民主軍はハサカ県シャッダーディー市近郊のダシーシャ村でダーイシュのスリーパーセルに対する作戦を実施し、メンバー2人殺害、1人拘束(2023年7月20日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、同軍のテロ撲滅部隊(YAT)が、南クルディスタンテロ撲滅部隊(CTG)、米主導の有志連合の支援を受けて、ハサカ県シャッダーディー市近郊のダシーシャ村でダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルに対する作戦を実施し、メンバー2人を殺害、1人を拘束、所持していた武器弾薬を押収したと発表した。

 

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一方、SANA(7月21日付)は、米主導の有志連合が20日、シリア民主軍とともに、ダイル・ザウル県のジュダイド・アカイダート村で空挺作戦を実施し、住民多数を連行したと伝えた。

AFP, July 20, 2023、ANHA, July 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2023、‘Inab Baladi, July 20, 2023、Reuters, July 20, 2023、SANA, July 21, 2023、SOHR, July 20, 2023などをもとに作成。

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サッバーグ国連シリア代表は越境(クロスボーダー)人道支援に関する決議案へのロシアの拒否権行使を「バランスがとれた賢明な決定」と支持(2023年7月19日)

国連総会は、7月11日に安全保障理事会でシリア北西部への越境(クロスボーダー)人道支援に関する決議案に拒否権を行使したロシアに説明を求める会合を開催した。

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会合において、チャバ・コロシ国連総会議長(ハンガリー)は、ロシアによる拒否権発動で、410万人とされるシリア北西部の住民への食料、水、医療品の供給がほぼ絶たれたとしたうえで、「支援を必要とする人々の命が地政学的な駆け引きに還元されるべきではない」と非難、「現実をしっかりと受け止め、真の解決に向けて」、分断ではなく、協力を優先するよう主唱した。

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越境人道支援を9ヵ月再延長することを定めた決議案を共同提出したブラジル・スイスのうち、ブラジルのセルジオ・フランサ・ダネーゼ大使は、決議案がバランスのとれた意味のあるものだったと述べる一方、スイスのパスカル・クリスティン・ベリスヴィール大使は、常任理事国1ヵ月の拒否権発動によって、「純粋に人道的」な目的を持つ越境人道支援の延長に疑義を呈されてしまったと振り返った。

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この発言に、米国のジェフリー・デローレンティス前国連大使が同調し、「邪魔をしているのはロシアだけだ」と非難したうえで、シリア政府による越境人道支援の許可については、国連による越境人道支援のメカニズムに代わる実行可能な代替手段ではないと主張した。

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英国、コスタリカ、フィージー、日本なども、ロシアによる拒否権の発動に異を唱えた。

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これに対して、ロシアのドミトリー・ポリャンスキー国連第一副代表は、これらの国の非難を一蹴し、越境人道支援が今後はシリア政府の許可を得て行われることについて、「大きな成果」だと述べた。

また、7月11日の安保理会合において、米国とその同盟国が、越境人道支援を12ヵ月延長することをめぐって「最期通告」を行ってきたと振り返ったうえで、ロシア側が提案した「真に人道的な文言」が決議案に盛り込まれなかったと反論した。

そのうえで、拒否権発動については、「そうしなければ、安保理はNATOの会合になってしまう」と主張した。

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イランのエミール・サイード・イールワーニー国連大使は、ロシアの拒否権発動に関して、シリア国内のすべての地域に政治利用されないかたちでの人道支援を行う必要があるとともに、シリアの主権、領土の一体性を支援に際して尊重することが必要だと述べた。

また、シリア政府が国連に対してバーブ・ハワー国境通行所を通じた越境人道支援を6ヵ月間行うことを認めたことについては、歓迎の意を示す一方、越境人道支援をこれまで通り継続することは、シリアを分割し、同国北西部にテロリストが支配する地域を作り出そうとするに西側の意志を含んでおり、これに対する懸念は正当だと主張した。

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シリアのバッサーム・サッバーグ国連代表は、ロシアの拒否権発動について、失効した国連安保理決議第2672号がシリア国民の真のニーズに最善の対処をしたいというシリアの正当な要求を満たしていなかったとしたうえで、「バランスがとれた賢明な決定」と高く評価、これを全面的に支持していると述べた。

サッバーグ国連代表はまた、越境人道支援の実施を最初に定めた2014年の国連安保理決議第2165号について、例外的な状況下での一時的な措置だったが、現在そうした例外的状況は存在しないと指摘する一方、越境人道支援がシリアの主権や領土の一体性を侵害し、テロ組織に支援が行きわたることを阻止し得ないという重大な欠陥を有していることを何年にもわたって警告してきたと主張した。

サッバーグ国連代表はさらに、シリア政府が7月13日に国連および関連機関に対して、イドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を通じた越境人道支援の実施を6ヵ月に限って認めたこと、それに先立ち2月にトルコ・シリア大地震の被害に対応するために、アレッポ県のバーブ・サラーマ国境通行所とラーイー村北の通行所を経由した支援を認めたことを強調、一部西側諸国がこうした積極的な措置を無視し、シリア人に対する集団処罰的な政策に固執していると非難し、シリアでの人道活動を政治利用する西側諸国の姿勢は非人道的だと指弾した。

SANA(7月19日付、20日付)などが伝えた。

AFP, July 19, 2023、ANHA, July 19, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2023、‘Inab Baladi, July 19, 2023、Reuters, July 19, 2023、SANA, July 19, 2023、July 20, 2023、SOHR, July 19, 2023などをもとに作成。

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外務在外居住者省はトルコと米国によるシリア北部・東部の占領によってハサカ市および周辺農村地帯への水の供給が妨げられていると非難(2023年7月19日)

外務在外居住者省は声明を出し、トルコと米国によるシリア北部・東部の占領によって、ハサカ県ハサカ市および周辺農村地帯への水の供給が妨げられていると非難、国連に対して、国際法や国際規範に反するこうした深刻な侵犯行為を停止させるよう求めた。

SANA(7月19日付)が伝えた。

AFP, July 19, 2023、ANHA, July 19, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2023、‘Inab Baladi, July 19, 2023、Reuters, July 19, 2023、SANA, July 19, 2023、SOHR, July 19, 2023などをもとに作成。

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イランのラヒーミー法務大臣が代表を務める使節団がシリアを訪れ、サイイド法務大臣、ミクダード外務在外居住者大臣、サッバーグ人民議会議長と会談(2023年7月19日)

イランのエミーン・ホセイン・ラヒーミー法務大臣が代表を務める使節団がシリアを訪れ、アフマド・サイイド法務大臣と会談し、法律・司法分野での協力関係について協議した。

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ラヒーミー法務大臣ら使節団はまた、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と会談し、両国が直面する共通の課題に対処するための関係強化の方途について意見を交わした。

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ラヒーミー法務大臣ら使節団はさらに、ハンムーダ・サッバーグ人民議会議長とも会談した。

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SANA(7月19日付)が伝えた。

AFP, July 19, 2023、ANHA, July 19, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2023、‘Inab Baladi, July 19, 2023、Reuters, July 19, 2023、SANA, July 19, 2023、SOHR, July 19, 2023などをもとに作成。

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イスラエル軍のメルガバ戦車1輌と重機複数輌が占領下のゴラン高原からシリア政府支配下のジュバーター・ハシャブ村南西に侵入(2023年7月19日)

クナイトラ県では、イナブ・バラディー(7月19日付)によると、イスラエル軍がメルガバ戦車1輌と重機複数輌を、占領下のゴラン高原からシリア政府の支配下にあるジュバーター・ハシャブ村南西に侵入させた。

AFP, July 19, 2023、ANHA, July 19, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2023、‘Inab Baladi, July 19, 2023、Reuters, July 19, 2023、SANA, July 19, 2023、SOHR, July 19, 2023などをもとに作成。

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シリア軍部隊がイドリブ県とアレッポ県で砲台1ヵ所を破壊、ドローン3機を撃墜(2023年7月19日)

国防省は声明を出し、シリア軍部隊がイドリブ県の農村地帯で「武装テロ集団」が使用していた122ミリ砲の砲台1ヵ所を破壊、またアレッポ県の農村地帯では、爆発物が装着され、民間人や民間施設を攻撃しようとしていた無人航空機(ドローン)3機を撃墜したと発表した。

https://youtu.be/U2wBp8APvFc


AFP, July 19, 2023、ANHA, July 19, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2023、‘Inab Baladi, July 19, 2023、Reuters, July 19, 2023、SANA, July 19, 2023、SOHR, July 19, 2023などをもとに作成。

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米主導の有志連合の貨物車輌など30輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入(2023年7月19日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌など30輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)からシリア領内に新たに進入し、県内各所の米軍基地に向かった。

AFP, July 19, 2023、ANHA, July 19, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2023、‘Inab Baladi, July 19, 2023、Reuters, July 19, 2023、SANA, July 19, 2023、SOHR, July 19, 2023などをもとに作成。

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イドリブ県でシャーム解放機構ウマル・ブン・アース旅団がシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害(2023年7月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村、スフーフン村を、マアーッラト・ナアサーン村、サーン村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構に所属するウマル・ブン・アース旅団がマアッラト・ムーハス村近郊でシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるバスラトゥーン村、タカード村を砲撃した。

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シリア駐留ロシア軍の司令部が設置されているフマイミーム航空基地近郊でドローンによる攻撃とロシア軍の迎撃による爆発が発生(2023年7月19日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア駐留ロシア軍の司令部が設置されているフマイミーム航空基地近郊で複数回にわたって爆発が発生した。

同監視団によると、爆発は無人航空機(ドローン)1機による攻撃と、ロシア軍の迎撃によるもので、同地一帯には砲弾やミサイルの残骸や破片が落下した。

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イナブ・バラディー(7月19日付)は、複数の活動家や記者がSNSを通じて発信した情報に基づいて、ドローン1機がフマイミーム村を爆撃し、2人が負傷、ジャブラ市の国立病院に搬送されたと伝えた。

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またフェイスブック・アカウントのシリア24(https://www.facebook.com/profile.php?id=100084703038719)は、アーティフ・カウズィー中佐と妻が負傷し、ジャブラ市の国立病院で治療を受けていると発表、カウズィー中佐の写真を掲載した。

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シャームFM(7月19日付)は、ジャブラ市で、シリア軍の演習での爆発音が複数回にわたって聞こえたと伝えた。

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日刊紙『サウラ』の記者マーズィン・ドゥワイリー氏はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/profile.php?id=100089407003687)でドローン1機とミサイル1発がフマイミーム村に墜落・着弾し、救急車が負傷者を搬送したと綴った。


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トルコ軍とシリア国民軍がハサカ県タッル・タムル町近郊を砲撃(2023年7月19日)

ハサカ県では、ANHA(7月19日付)やシリア人権監視団によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のカブール・ガラージナ村を砲撃した。

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トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアレッポ県バーブ市で、活動家らがシリア北部でのがん専門の病院の設置、がん患者のトルコでの治療を求める抗議デモ(2023年7月19日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のバーブ市で、活動家らが、シリア北部でのがん専門の病院の設置、がん患者のトルコでの治療を求める抗議デモを行った。

AFP, July 19, 2023、ANHA, July 19, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2023、‘Inab Baladi, July 19, 2023、Reuters, July 19, 2023、SANA, July 19, 2023、SOHR, July 19, 2023などをもとに作成。

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イスラエル軍が首都ダマスカス一帯を爆撃、シリア国防省によると兵士2人が負傷(2023年7月19日)

国防省は声明を出し、イスラエル軍機が19日午前0時25分に、占領下のゴラン高原上空から首都ダマスカス一帯の複数ヵ所を狙って多数のミサイルを発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、そのほとんどを撃破したが、兵士2人が負傷、若干の物的被害が出たと発表した。

 


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シリア人権監視団によると、爆撃は、シリア軍第4師団所属部隊が展開し、レバノンのヒズブッラーの貯蔵施設が点在し、イラン製の無人航空機(ドローン)の組み立てが行われているとされるダマスカス郊外県のディーマース航空基地、サブーラ町近郊に対して行われ、複数箇所で爆発や火災が発生し、シリア軍兵士1人が死亡、4人が負傷した( シリア人権監視団によると、その後死者は4人となった)。

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ロシア当事者和解調整センターのオレグ・グリノフ副センター長は、19日午前0時26分から27分にかけて、イスラエル空軍所属のF-16戦闘機2機がダマスカス郊外県の貯蔵施設を爆撃し、シリア軍兵士2人が負傷し、物的被害が発生したと発表した。

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イスラエルのアルマー研究教育センターはツイッターのアカウント(https://twitter.com/Israel_Alma_org/)を通じて、イスラエル軍が「イランの回廊の一部」を通じて輸送された武器や装備、迎撃を行った対空ミサイル砲台を狙う一方、シリア軍防空部隊が発射した地対空ミサイル1つがクドスィーヤー市・サブーラ町間に着弾したとの見方を示した。

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ドゥラル・シャーミーヤ(7月19日付)は複数の地元筋の話として、サッブーラ町近郊の複数ヵ所が狙われ、ヒクマト・アスアド・ウライシャという名のシリア軍兵士が死亡したと伝えた。

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外務在外居住者省は声明を出し、イスラエル軍の爆撃を「国際の平和と安全を真に脅かす脅威」と非難、国連に対してこうした犯罪政策を停止させるためイスラエルに圧力をかけるよう訴えた。

SANA(7月19日付)が伝えた。

AFP, July 19, 2023、ANHA, July 19, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2023、‘Inab Baladi, July 19, 2023、Reuters, July 19, 2023、RIA Novosti, July 19, 2023、SANA, July 19, 2023、SOHR, July 19, 2023、July 22, 2023などをもとに作成。

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