米国防総省ライダー報道官:23日のトルコの首都アンカラでの攻撃は「米国がテロ組織とみなしているPKKによるもの」(2024年10月29日)

米国防総省のパット・ライダー報道官は記者会見で、ロイド・J・オースティン米国防長官が10月23日のトルコの首都アンカラでのクルディスタン労働者党(PKK)によるとされる攻撃に関して、トルコの正当な安全保障上の懸念を認め、トルコによる最近のシリア北部に対する攻撃について議論、民間人への被害を避ける必要性を強調するとともに、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いにおいて米軍に対するリスクを軽減するため、米国とトルコが緊密に協力することの重要性を再確認したと述べた。

また、10月23日の攻撃に関して、「米国がテロ組織とみなしているPKKによるものだと理解している」と述べた。

AFP, October 30, 2024、ANHA, October 30, 2024、‘Inab Baladi, October 30, 2024、Reuters, October 30, 2024、SANA, October 30, 2024、SOHR, October 30, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

日本政府はイスラエルのレバノン攻撃激化に伴うシリアへの避難民の流入による人道状況悪化を受けて、新たに1,000万米ドルの緊急無償資金協力を実施すると発表

日本の外務省は、イスラエルのレバノン攻撃激化に伴うシリアへの避難民の流入による人道状況悪化を受けて、新たに1,000万米ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定したと発表した。

発表の内容は以下の通り:

シリアにおける人道状況の悪化を受けた緊急無償資金協力

10月29日、日本政府は、レバノン情勢の影響によるシリアにおける人道状況の悪化を受けて、新たに1,000万米ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定しました。

  1. 今般の緊急無償資金協力により、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)及び国連世界食糧計画(WFP)等を通じ、生活必需品、食料、水・衛生等の分野で人道支援を実施します。
  2. 日本政府として、引き続き、イスラエルとヒズボッラーとの間の即時停戦を求めるとともに、地域における更なるエスカレーションを回避するため、全ての当事者に対し、最大限の自制及び外交的解決に向けて真摯に取り組むことを強く求めていきます。

(参考1)実施機関、供与額及び事業分野

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR):生活必需品、一時的避難施設、保護(600万米ドル)
国連世界食糧計画(WFP):食料(200万米ドル)
国連児童基金(UNICEF):水・衛生(100万米ドル)
国連開発計画(UNDP):廃棄物管理(100万米ドル)

(参考2)シリアを巡る情勢

  1. シリアでは2011年3月以降、反政府デモの発生に端を発する内戦(シリア危機)により、全土で約40万人以上の死者、670万人以上の国内避難民が発生するなど、今世紀最悪の人道危機の一つとも言われる状況が発生。これまでレバノンにも約200万人のシリア人避難民が流入している。
  2. 上記の状況に加え、本年9月20日以降、イスラエルによるレバノンへの大規模空爆が激化し、UNHCRによれば、10月18日までに42万人を超えるシリア人・レバノン人等がシリアに流入し、シリアの人道状況は急激に悪化している。

外務省HP、2024年10月29日付。

イスラエル軍戦車部隊がヒヤーム村東部郊外に侵攻(2024年10月29日)

ナハールネット(10月29日付)、NNA(10月29日付)、マナール・チャンネル(10月29日付)などによると、イスラエル軍は、ヒヤーム村東部郊外に戦車部隊を侵攻させた。

イスラエル軍はまた、サイダー市郊外のハーラト・サイダー地区を前日に続いて爆撃、これにより少なくとも5人が死亡、複数が負傷した。

爆撃は、サイイド・シュハダーの名で知られるヒズブッラーの複合施設に隣接する住宅街を狙って行われた。

イスラエル軍はさらに、シャクラー村にあるアマル運動のイスラーム・リサーラ・スカウト協会や診療所など、レバノン南部各所に対しても爆撃を行った。

29日の戦況に関して、イスラエル軍は、テレグラムの公式アカウント(https://t.me/idfofficial)を通じて、兵士1人がレバノン南部での戦闘で戦死したとする声明を発表した。

一方、レバノン・イスラーム抵抗はテレグラムの公式アカウント(https://t.me/mmirleb)を通じて、10月29日にイスラエルおよびレバノン南部で、イスラエル軍に対して36回の攻撃を実施したと発表した。

イスラエル軍の発表によると、午後11時00分の時点で、ヒズブッラーは約75発の飛翔体をイスラエルに向けて発射した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Naharnet, October 29, 2024、NNA, October 29, 2024、Qanat al-Manar October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

ロシア当事者和解調整センターは、過去24時間にシリア・レバノン国境の5つの国境通行所を通じて、難民3,838人がレバノンからシリアに入国したと発表(2024年10月29日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・イグナシュク副センター長は、過去24時間にシリア・レバノン国境の5つの国境通行所(アリーダ、ジュースィヤ、ダブースィーヤ、ジスル・カマル(マトリバー)、ジュダイダト・ヤーブース)を通じて、難民3,838人がレバノンからシリアに入国したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(10月29日付)、タス通信(10月29日付)が伝えた。

RIA Novosti, October 29, 2024、TASS, October 29, 2024をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

無人航空機2機が進路を逸れて、ヨルダン北部領空に侵入、その後墜落(2024年10月29日)

ヨルダンのマムラカ・チャンネル(10月29日付)は軍総司令部の高官筋の話として、無人航空機2機が進路を逸れて、ヨルダン北部領空に侵入、その後墜落したと発表した。

無人航空機2機が侵入したのはイルビド県ワーディー・サイドゥール。

同筋は、無人航空機2機の所属について明らかにしていないが、イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)がイスラエル南部のアシュケロン市の工業地区に無人航空機複数機を発射させたと発表していた。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、al-Mamlaka TV, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)はイスラエル南部のアシュケロン市一帯に対して多数の無人航空機による特殊軍事作戦を実施したと発表(2024年10月29日)

イエメンのアンサール・アッラー(フーシー派)のヤフヤー・サリーア報道官は午前11時43分、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/army21ye)を通じて声明を出し、イスラエル南部のアシュケロン市一帯に対して多数の無人航空機による特殊軍事作戦を実施したと発表した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県CONOCOガス田に違法に駐留する米軍(有志連合)がシリア政府支配下の「7ヵ村」を砲撃、「イランの民兵」の現場指揮官1人を殺害(2024年10月29日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下にあるCONOCOガス田に違法に駐留する米軍(有志連合)が、シリア政府の支配下にある「7ヵ村」を2度にわたって砲撃した。

このうちフシャーム町に対する砲撃で、「アッファーシュ」を名乗る「イランの民兵」の現場指揮官1人が死亡した。

米主導の有志連合はまた、シリア政府の支配下にあるマズルーム村にある中学校を戦闘機1機でミサイル攻撃した。

学校はイランの支援を受ける民兵が拠点として使用、この攻撃と前後して、米軍とロシア軍の戦闘機が同地上空に繰り返し飛来、旋回を続けていた。

一方、有志連合は増員部隊を乗せた軍用ヘリコプター1機をCONOCOガス田に派遣した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍が占領下ゴラン高原からクナイトラ県ラフィーダ村南の農地を砲撃(2024年10月29日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍所属と見られる航空機複数機がジャービヤ丘上空に飛来、爆発が発生した。

爆発の原因は不明。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍が占領下ゴラン高原からラフィーダ村南のスィハーム地区の農地を砲撃した。

**

シリア人権監視団によると、イスラエル軍の攻撃は、今年に入って131回(うち106回が航空攻撃、25回が地上攻撃)となり、これにより207あまりの標的が破壊され、軍関係者268人が死亡、188人が負傷した。

同監視団によると、軍関係者の死者内訳は以下の通りである。

イラン人(イラン・イスラーム革命防衛隊):25人
ヒズブッラーのメンバー:50人
イラク人:28人
「イランの民兵」のシリア人メンバー(カーティルジー・グループ社も含む):75人
「イランの民兵」の外国人メンバー:24人
シリア軍将兵:62人
身元不明人:4人

また、民間人も43人(イエメン人医師とその妻、3人の子供を含む)が死亡、53人あまりが負傷している。

攻撃の県別内訳は以下の通りである。

ダマスカス県、ダマスカス郊外県:50回
ダルアー県:17回
ヒムス県:36回
クナイトラ県:16回
タルトゥース県:3回
ダイル・ザウル県:5回
アレッポ県:2回
ハマー県:4回
スワイダー県:2回
ラタキア県:2回

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機がヒムス県とラッカ県でダーイシュの拠点を狙って重点的な爆撃(2024年10月29日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がスフナ市とタドムル市近郊の山岳地帯、トゥワイナーン村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を狙って重点的な爆撃を実施した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機がラサーファ市一帯の砂漠地帯でダーイシュの拠点を狙って重点的な爆撃を実施した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるアレッポ県イルハーブ村を砲撃、女性1人が死亡(2024年10月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるイルハーブ村を砲撃、女性1人が死亡した。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるカブターン・ジャバル村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍の自爆型無人航空機4機がシャーム解放機構の支配下にあるアーフィス村で車2台を狙って攻撃した。

シリア軍はまた、ザーウィヤ山地方のマンタフ村で民生用の自動車1台を地対地ミサイルで攻撃した。

シリア軍はさらに、マアーッラト・ナアサーン村に設置されているトルコ軍の拠点一帯を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、国民解放戦線に所属するナスル軍が、ガーブ平原にあるシリア軍の拠点複数ヵ所を砲撃した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会は、トルコ軍による攻撃に警戒するかたちで9月26日に閉鎖していたアウン・ダーダート村とウンム・ジャッルード村の通行所を再開(2024年10月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会は、トルコ軍による攻撃に警戒するかたちで9月26日に閉鎖していたアウン・ダーダート村とウンム・ジャッルード村の通行所を再開した。

両通行所は、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域と、北・東シリア地域民主自治局の支配地を結ぶ通行所。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県ブサイラ市でのシリア民主軍との戦闘で、イランの支援を受ける「ジャズィーラ殉教者旅団」の司令官1人が死亡(2024年10月29日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア地域民主自治局)の支配下にあるブサイラ市で、イランの支援を受ける地元武装集団と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が激しく交戦した。

また、ブサイラ市から、シリア政府の支配下にあるザバーリー村に向けてロケット弾複数発が発射された。

前日夜から激化していたこの戦闘で、イランの支援を受ける「ジャズィーラ殉教者旅団」の司令官1人が死亡した。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で政治改革、体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴える(2024年10月29日)

スワイダー県では、スワイダー24(10月29日付)、シリア人権監視団によると、スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で政治改革、体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴えた。

AFP, October 29, 2024、ANHA, October 29, 2024、‘Inab Baladi, October 29, 2024、Reuters, October 29, 2024、SANA, October 29, 2024、SOHR, October 29, 2024などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.