シリア人権ネットワークは、旧体制とつながりがある国家の枠組みを逸脱した武装グループが行った攻撃にかかる人権侵害にかかる初期報告書を発表した。
報告によると、2025年3月6日から10日にかけて、これらのグループの攻撃により、法の枠を超えたかたちで803人が殺害されたことが確認された。
旧体制とつながりがあるこれらのグループは、国防省部隊、内務省総合治安局の軍事・治安拠点に対して攻撃を行い、暫定政権が大規模な治安・軍事作戦を実施、これには、国防省と内務省総合治安局の正規の部隊に加えて、地元の武装勢力、形式的に国防省に組み込まれている外国人イスラーム主義組織、さらには武装した地元市民のグループが自発的に参加した。
しかし、これらの治安作戦は攻撃に直接関与した者の追跡にとどまらず、衝突が急速に激化したことを受けて、広範囲にわたる重大な人権侵害が行われた。
その多くは報復的かつ宗派主義的な性質を帯びており、現場での処刑、組織的な集団殺戮などが、地元武装勢力や外国人イスラーム主義装組織が主導するかたちで行われた。
一連の行為は、民間人を標的としたもので、犠牲者のなかには医療従事者、報道関係者、人道支援活動家も含まれていた。
さらに、公共施設や公私財産も被害を受け、数百人の住民が避難を余儀なくされたほか、数十人の民間人や内務省総合治安局の隊員が行方不明となった。
これまでに確認された犠牲者803人の県別内訳は以下の通り:
ラタキア県185人(うち子ども15人、女性11人、医療従事者2人)
ハマー県49人(うち子ども15人、女性10人、医療従事者1人)
タルトゥース県183人(うち子ども9人、女性28人、医療従事者24人)
ヒムス県3人
なおこれらの犠牲者のなかには国家の枠を逸脱した武装勢力の死者は含まれていない。
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