米軍によるシリア爆撃:国内の反体制組織は爆撃が逆効果と非難(2014年9月23日追記)

シリア国内で活動する反体制組織、シリア国家建設潮流は声明を出し、米軍などによるシリア空爆に関して「いかなる効果もない」と批判、「ダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を数十人殺したことで、数百人の新たな戦闘員が参加するだけだ」と危機感を表明した。

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バラク・オバマ米大統領は、ニューヨークでシリア空爆に参加したアラブ諸国5カ国の代表らと会談した。

会談には、国連総会出席のためにニューヨークを訪問中のヨルダンのアブドゥッラー2世国王、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣、カタールのタミーム・ビン・ハマド首長、イラクのハイダル・アバーディー首相も参加した。

会談で、オバマ大統領は「我々はイスラーム国だけでなく、流血の事態を引き起こす過激派を弱体化させ、壊滅させる」との意思を示したうえで、イスラーム国掃討が「時間を要し、軍事行動だけでは終わらない」と述べ、各国との協力を継続する考えを表明した。

また会談後、サウード・ファイサル外務大臣は、「この努力を実行するためのあらゆる行動に参加する」と述べた。

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サマンサ・パワー米国連代表大使は、米軍などによるシリア空爆に関して、潘基文国連事務総長に書簡を送り、国連憲章第51条が定める個別的・集団的自衛権を行使したとする自国の立場を説明した。

これに関して、潘事務総長は記者会見で「空爆はシリア政府からの直接の要請を受けたものではないが、同国政府は事前に知らされていた」と述べ、一定の理解を示した。

また「空爆は、シリア政府の実効支配がもはや及んでいない地域で行われた」と付言した。

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国連安保理は、アル=カーイダ系組織・個人への制裁に関する会合を開催し、ダーイシュ(イスラーム国)に参加する外国人戦闘員14人と二つの組織を新たな制裁対象に追加することを了承した。

追加制裁されたのは、フランス人2人(男女)、ノルウェー人など。

AFP, September 24, 2014、AP, September 24, 2014、ARA News, September 24, 2014、Champress, September 24, 2014、al-Hayat, September 25, 2014、Kull-na Shuraka’, September 24, 2014、al-Mada Press, September 24, 2014、Naharnet, September 24, 2014、NNA, September 24, 2014、Reuters, September 24, 2014、SANA, September 24, 2014、UPI, September 24, 2014などをもとに作成。

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