シリア国内の暴力:ヌスラ戦線らがイドリブ県アブー・ズフール軍事基地飛行場への総攻撃を開始(2014年12月20日)

イドリブ県では、スィラージュ・プレス(12月20日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動が、19日深夜からアブー・ズフール航空基地に対して総攻撃を開始した。

同通信社によると、総攻撃に先立って、ジハード主義武装集団側がアブー・ズフール軍事基地飛行場に駐留するシリア軍部隊に対して基地引き渡しを求め、両者の間で折衝が行われたが、決裂したという。

一方、SANA(12月19日付)によると、アブー・ズフール軍事基地飛行場周辺のハシール村、ザハビーヤ村、タッル・タウカーン村、ダブシーヤ村、タラブ村、大ビアーヤ村、ムスタリーハ村、トゥウーム村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、スマート・ニュース(12月20日付)によると、ハズム運動(いわゆる「穏健な反体制派」)がハンダラート・キャンプ一帯で、シリア軍、国防隊と交戦の末、複数の哨所を制圧した。

またシリア人権監視団によると、同地一帯、アルド・マッラーフ地区一帯、ハーン・トゥーマーン村、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・ディーン戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ムハーリジーン地区、オートストラード・ファイハー地区に迫撃砲弾2発が着弾し、2人が負傷した。

またヤルムーク区に人道支援物資を搬入しようとしたボランティア活動家が、何者かの発砲を受け、2人が負傷した。

これに対して、シリア軍はジャウバル区を砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、タイバ村、ダーライヤー市、フライタ村無人地帯などをシリア軍が砲撃、またザブディーン村で、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフム・ジャウラーン村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線とヤルムーク殉教者旅団の戦闘が再開された。

一方、SANA(12月19日付)によると、ダルアー市旧税関地区、ハマーディーン地区、ブスラー・シャーム市、シャイフ・マスキーン市、ティースィヤー村、西ガーリヤ村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(12月19日付)によると、ラスタン市、ラッフーム村、ウンク・ハワー村で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 20, 2014、AP, December 20, 2014、ARA News, December 20, 2014、Champress, December 20, 2014、al-Hayat, December 21, 2014、Kull-na Shuraka’, December 20, 2014、al-Mada Press, December 20, 2014、Naharnet, December 20, 2014、NNA, December 20, 2014、Reuters, December 20, 2014、SANA, December 20, 2014、Siraj Press, December 20, 2014、SMART News, December 20, 2014、UPI, December 20, 2014などをもとに作成。

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