イスラーム国をめぐる動き:米国がヌスラ戦線を援護するかたちでダーイシュを爆撃(2014年12月21日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダービク村・マーリア市間(養鶏場地区)、ダービク村周辺(武器庫地区)、フール村などダーイシュ(イスラーム国)制圧地域で、シャームの民のヌスラ戦線など反体制武装集団がダーイシュと交戦するなか、米国など有志連合が同地一帯を12回にわたって空爆した。

これに関して、『ハヤート』(12月22日付)は「米国がシリアの「穏健な反体制派」を初めて空爆によって援護した」と伝えた。

一方、アイン・アラブ市では、ダーイシュが文化センター奪還に向け攻勢を強めた。

同センターは20日に西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によって制圧されていたという。

また米国など有志連合は同市一帯のダーイシュ拠点などに対して、3回にわたって空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、SANA(12月21日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイル地区、ハウィーカ地区、ウルファ地区、ムワッザフィーン地区、工業地区、ラサーファ地区、フワイジャト・サクル地区、マリーリーヤ村、ジャフラ村、ムーハサン市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシリア軍は国防隊の支援のもとダイル・ザウル市内の農学部一帯を制圧した。

一方、クッルナー・シュラカー(12月21日付)によると、ハジーン市で、ダーイシュ(イスラーム国)が男女2人を姦通罪で石打の刑に処した。

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一方、SANA(12月21日付)によると、バーブ市で、シリア軍が反体制武装集団の追撃を続け、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、『ハヤート』(12月22日付)によると、ハサカ県南東部のフール地区一帯をシリア軍が5回にわたって空爆した。

AFP, December 21, 2014、AP, December 21, 2014、ARA News, December 21, 2014、Champress, December 21, 2014、al-Hayat, December 22, 2014、Kull-na Shuraka’, December 21, 2014、al-Mada Press, December 21, 2014、Naharnet, December 21, 2014、NNA, December 21, 2014、Reuters, December 21, 2014、SANA, December 21, 2014、UPI, December 21, 2014などをもとに作成。

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