イスラーム国がタッル・アブヤドでメンバーの離反・逃走を阻止するため、家族のラッカへの移動を要請、ラフマーン軍団がダーイシュ合流者を摘発(2015年1月28日)

ラッカ県では、ARA News(1月28日付)がトルコ国境に位置するタッル・アブヤド市の複数の消息筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)が外国人戦闘員に対し、家族を同市からラッカ市に移すよう要請するとともに、トルコへの通行規制を強化し、戦闘員の離反・逃走を阻止しようとしていると伝えた。

また、ARA News(1月29日付)によると、タッル・アブヤド市郊外のタッル・アフマル村(カリー・スール村)に対する米国など有志連合の空爆で、バシャーシマ部族の子息1人が死亡、2人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、ラフマーン軍団総司令部が声明を出し、アイン・タルマー村で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓った「アブズ・ザイド・ジャウラーン」を名のる武装集団を摘発した、と発表した。

Kull-na Shuraka', January 28, 2015

Kull-na Shuraka’, January 28, 2015

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アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が声明を出し、イラク・クルディスタン地域のペシュメルガ部隊とともにアイン・アラブ市郊外のクーラムト村、マトアム・スィーラーン一帯(アレッポ街道沿い)でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。

また、米国など有志連合の合同司令部によると、有志連合はアイン・アラブ市一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して13回にわたって空爆を行った。

ARA News(1月28日付)が伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が支配するダイル・ハーフィル市一帯、ジャディード村、ヒルバト・マアージール村などをシリア軍が空爆した。

このほか、ARA News(1月28日付)によると、マンビジュ市でダーイシュ(イスラーム国)が住民6人を「有志連合に内通」、「自由シリア軍に内通」しているとの罪で処刑した。

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ハサカ県では、ARA News(1月28日付)によると、シャッダーディー市で、ダーイシュ(イスラーム国)が住民1人を処刑した。

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ヒムス県では、SANA(1月28日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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『ハヤート』(1月29日付)は、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガおよび米国など有志連合による、ニナワ県タッルアファル郡、モスル市一帯での攻勢を受け、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーの家族約150世帯がシリア領内に避難したと伝えた。

AFP, January 28, 2015、AP, January 28, 2015、ARA News, January 28, 2015、January 29, 2015、Champress, January 28, 2015、al-Hayat, January 29, 2015、Iraqi News, January 28, 2015、Kull-na Shuraka’, January 28, 2015、al-Mada Press, January 28, 2015、Naharnet, January 28, 2015、NNA, January 28, 2015、Reuters, January 28, 2015、SANA, January 28, 2015、UPI, January 28, 2015などをもとに作成。

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