フランス大統領「アサドはダーイシュ(イスラーム国)との戦いについて話し合えるだけの信頼に足る対話者ではない」(2015年3月5日)

フランスのフランソワ・オランド大統領は、シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ代表らと会談し、シリア情勢への対応などについて協議した。

会談後、オランド大統領は、大統領府を通じて声明を出し、「バッシャール・アサドこそが、自らの国民に悲劇をもたらした第1の責任者で、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いとシリアの将来に向けた準備について話し合うことができる信頼に足る対話者ではない」と述べた。

オランド大統領はまた、「政治的移行」こそが現下の紛争への唯一の解決策だと主張する一方、シリアの反体制派を「ダーイシュに対抗する前衛」と位置づけ、政治的・実質的支援を行うことを確認した。

『ハヤート』(3月6日付)によると、フランスの信頼できる消息筋の話として、会談において、オランド大統領とローラン・ファビウス外務大臣は、2月末にシリアを訪問したフランス議員使節団を厳しく非難したという。

なお会談には、ハウジャ議長のほか、ムンズィル・マーフース氏(駐仏代表)、ブルハーン・ガルユーン氏、サリーム・イドリース氏、ミシェル・キールー氏、サラーフ・ダルウィーシュ氏(シリア・クルド国民評議会)、アフマド・トゥウマ暫定内閣首班が同席した。

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一方、シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・ハウジャ議長は訪問先のフランスでAFP(3月5日付)に対し、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表によるアレッポ市「戦闘中止」イニシアチブが「アレッポ市の革命家に耳を傾けていない」と非難した。

AFP, March 5, 2015、AP, March 5, 2015、ARA News, March 5, 2015、Champress, March 5, 2015、al-Hayat, March 6, 2015、Iraqi News, March 5, 2015、Kull-na Shuraka’, March 5, 2015、al-Mada Press, March 5, 2015、Naharnet, March 5, 2015、NNA, March 5, 2015、Reuters, March 5, 2015、SANA, March 5, 2015、UPI, March 5, 2015などをもとに作成。

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