シリア政府と西クルディスタン移行期民政局が共同管理するハサカ市をダーイシュ(イスラーム国)が急襲(2015年5月6日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市ナースィラ地区のバイタラ広場にある西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ本部前で、ダーイシュ(イスラーム国)が爆弾を積んだ車を自爆、アサーイシュ隊員16人が死亡、多数が負傷した。

同監視団によると、ダーイシュ戦闘員は3台の四輪駆動車に乗ってアサーイシュ本部前に潜入、うち1台が自爆したのち、残り2台に乗っていた戦闘員が本部に向かって発砲し、激しい戦闘になったという。

また西クルディスタン移行期民政局とシリア政府の共同管理下にあるハサカ市内の複数カ所に迫撃砲弾複数発が着弾し、ハサカ市警察によると、3人が死亡(シリア人権監視団によると、死者は4人)、4人が負傷した。

これに対して、シリア軍は、ハサカ市南部郊外、西部郊外(アブドゥルアズィーズ山一帯)のダーイシュ拠点に対して「樽爆弾」などを投下した。

ARA News, May 6, 2015

ARA News, May 6, 2015

Kull-na Shuraka', May 6, 2015

Kull-na Shuraka’, May 6, 2015

一方、SANA(5月6日付)によると、ハサカ市郊外のガラー村、アブドゥルアズィーズ山一帯、スーダー村・アブド・ジャヌーブ村間で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル航空基地近郊、ジャズル・ガス採掘所地帯、シャーイル・ガス採掘所一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(5月6日付)によると、ウンム・サフリージュ村、シャーイル・ガス採掘所一帯、ジャズル・ガス採掘所地帯、ウンム・リーシュ村、ラスム・ラック村、ジュッブ・ジャッラーフ町一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、ARA News(5月4日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲を続けるクワイリス航空基地の入口付近でシリア軍と戦闘を続けた。

AFP, May 6, 2015、AP, May 6, 2015、ARA News, May 6, 2015、Champress, May 6, 2015、al-Hayat, May 7, 2015、Iraqi News, May 6, 2015、Kull-na Shuraka’, May 6, 2015、al-Mada Press, May 6, 2015、Naharnet, May 6, 2015、NNA, May 6, 2015、Reuters, May 6, 2015、SANA, May 6, 2015、UPI, May 6, 2015などをもとに作成。

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