有志連合によるラッカ爆撃でダーイシュ(イスラーム国)司令官2人死亡、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ、ダイル・ザウルでの戦闘続く(2015年5月8日)

ラッカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月8日付)などによると、有志連合の無人戦闘機がラッカ市内でダーイシュ(イスラーム国)の車輌を空爆し、乗っていた全員を殺害した。

殺害されたダーイシュ・メンバーのなかには、ラッカ県出身の司令官2人、ウサーマ・カッラーシュ・マカニー氏(アブー・ウマル:アブー・ルクマーン氏に次ぐシリア国内の治安担当者のナンバー・ツーと目される)、ヒシャーム・カッラーシュ氏(モスル市衛生局長)もいたという。

一方、クッルナー・シュラカー(5月8日付)は、ラッカ市の地元消息筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)衛生局が、医療、人道支援関連のすべての国際機関の支配領域への立ち入りを禁止するファトワーを発したと伝えた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプで、ダーイシュと共闘するシャームの民のヌスラ戦線が、キャンプ北西部一帯に設置されているシリア軍とPFLP-GCの拠点複数カ所を攻撃し、シリア軍兵士2人、PFLP-GC戦闘員3人を殺害し、これらの拠点を制圧した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯を占拠するダーイシュ(イスラーム国)がハジャル・アスワド市各所でジハード主義武装集団と交戦した。

また、クッルナー・シュラカー(5月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員がラフマーン軍団のシューラー評議会の会合に潜入・自爆し、ラフマーン軍団のアブー・ナスル・シュマイル司令官、リヤード・ハルキー氏、ナイーム・ヤアクーブ氏らが負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル航空基地南東部、ダイル・ザウル市工業地区のジュムヤーン検問所一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦し、飛行場司令官(少将)1人を含むシリア軍兵士19人、ダーイシュ戦闘員15人が死亡した。

戦闘では、ダーイシュがジュムヤーン検問所に対して自爆攻撃をしかける一方、捕捉したシリア軍兵士4人を斬首し、検問所を制圧したという。

一方、シリア軍はブーライル村、マヤーディーン市近郊のバクラス村などを空爆し、3人が死亡した。

また、SANA(5月8日付)によると、マリーイーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が包囲を続けるクワイリス航空基地一帯で、ダーイシュとシリア軍が交戦し、シリア軍兵士7人(士官1人を含む)が死亡した。

また、ARA News(5月8日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のユーフラテスの火山合同作戦司令室が、アイン・アラブ市東部郊外でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、複数の村を解放した。

**

ハサカ県では、ARA News(5月8日付)によると、有志連合がハサカ市西部のタッル・マジュダル村一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点などを空爆した。

一方、SANA(5月8日付)によると、ハサカ市東部一帯、シャダーディー市・フール町間、ウンム・キバル村で、シリア軍、国防隊が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(5月8日付)によると、シャーイル・ガス採掘所一帯、ラッフーム村、マズマル村、ムシャイリファ村、ラジャム・カスル村、ウンム・サフリージュ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。


AFP, May 8, 2015、AP, May 8, 2015、ARA News, May 8, 2015、Champress, May 8, 2015、al-Durar al-Shamiya, May 8, 2015、al-Hayat, May 9, 2015、Iraqi News, May 8, 2015、Kull-na Shuraka’, May 8, 2015、al-Mada Press, May 8, 2015、Naharnet, May 8, 2015、NNA, May 8, 2015、Reuters, May 8, 2015、SANA, May 8, 2015、UPI, May 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.