ムスリム民主統一党党首「事態が収束し、恐怖がなくなれば、YPGはタッル・アブヤドから撤退し、行政を地元の住民に移譲するだろう」(2015年6月17日)

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、トルコ日刊紙『ヒュッリイェト』(6月17日付)のインタビューに応じ、そのなかで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によるタッル・アブヤド市(クルド語名ギレ・スピー)に関して、「事態が収束し、恐怖がなくなれば、人民防衛隊と関連する部隊は同地から撤退し、行政を地元の住民に移譲するだろう」と述べた。

またダーイシュ(イスラーム国)との戦闘でトルコ領内に避難した住民の帰宅に関しては「トルコ高官と国境通行所にかかる問題について協議、協力する用意がある。我々は通行所を人民防衛隊の掌握下に置くことに固執しておらず、この問題に関しては自由シリア軍と協力したいと考えている」と述べた。

一方、アラブ人、トルクメン人を強制移住させているとするトルコ側の批判に関しては「トルコは冷静であるべきだ。もし冷静であれば、我々も冷静でいよう」としたうえで、「人民防衛隊がギレ・スピーのアラブ人、トルクメン人を排除しているとの主張に関して言うと、人々を家や国から追い出すことができる者などいない。こうした批判、言説、そして嘘には何の根拠もない」と否定した。

AFP, June 17, 2015、AP, June 17, 2015、ARA News, June 17, 2015、Champress, June 17, 2015、al-Hayat, June 18, 2015、Hurriyet, June 17, 2015、Iraqi News, June 17, 2015、Kull-na Shuraka’, June 17, 2015、al-Mada Press, June 17, 2015、Naharnet, June 17, 2015、NNA, June 17, 2015、Reuters, June 17, 2015、SANA, June 17, 2015、UPI, June 17, 2015などをもとに作成。

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