シリアの「穏健な反体制派」数十人が「シリア政府との戦闘を行わない」旨誓約を求められ米国の軍事教練プログラムへの参加をとり止める(2015年6月20日)

『ハヤート』(6月20日付)は、複数の西側外交筋の話として、米国防総省の監督のもと、トルコとヨルダン領内で米軍が行っているシリアの「穏健な反体制派」の軍事教練に関して、戦闘員数十人が教練プログラムへの参加をとりやめた、と伝えた。

参加取りやめは、米国側がこれらの戦闘員に「シリア政府との戦闘を行わない」旨記載された文書への署名を求めたためだという。

米議会は、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘、「穏健派」支配地域の防衛を目的とした「穏健な反体制派」教練のための予算(5億米ドル)を承認、3年間で合わせて1万5,000人(1年間で5,000人)の戦闘員に教練を施す予定で、トルコとヨルダン領内の4つの軍事基地で教練を実施することを両国と合意している。

またこれとは別に、CIAによる戦闘員教練のための「極秘プログラム」実施の予算が承認されている。

しかし、スティーブ・ウォーレン国防総省報道官は18日、AFP(6月19日付)に対して、現在までに教練を受けた戦闘員の数が100~200人しかいないことを明らかにしていた。

AFP, June 19, 2015、AP, June 19, 2015、ARA News, June 19, 2015、Champress, June 19, 2015、al-Hayat, June 20, 2015、Iraqi News, June 19, 2015、Kull-na Shuraka’, June 19, 2015、al-Mada Press, June 19, 2015、Naharnet, June 19, 2015、NNA, June 19, 2015、Reuters, June 19, 2015、SANA, June 19, 2015、UPI, June 19, 2015などをもとに作成。

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