SANA(9月6日付)は、関係当局が住民の協力により、4日にスワイダー市で発生した連続爆破テロ実行犯の一人とされるワーフィド・アブー・トゥッラーバ容疑者(1969年生まれ)をスワイダー県マズラア町で逮捕したと伝えた。
スワイダー県の保安委員会の委員長がSANAに明らかにしたところによると、アブー・トゥッラーバ容疑者は、スワイダー市内での連続爆破テロへの関与を自供するとともに、4日晩に発生したスワイダー市の軍事情報局、刑事保安局への襲撃に参加し、器物破損と略奪を行い、また県庁舎を襲撃しようとしたことを認めた。
スワイダー県警察によると、アブー・トゥッラーバ容疑者は、3日に白いピックアップ・トラックをレンタルし、ウマル・ハルブ・カルカマーズ氏(1979年)に運転させ移動、その後カルカマーズ氏を殺害し、トラックに爆弾を仕掛けたうえで、スワイダー市東部郊外のダフル・ジャバル街道に駐車させ、犯行に及んだという。
カルカマーズ氏の遺体は3日午後、クライヤー町・ムナイズィラ村間で発見されているという。
アブー・トゥッラーバ容疑者はまた、「カラーマの男たち」の指導者のワヒード・バルウース師が乗った車列を狙って、トラックを爆破したことについても認めた。
その後、シリア・アラブ・テレビ(9月6日付)は、アブー・トゥッラーバ容疑者の証言映像を放映した。
映像のなかで、アブー・トゥッラーバ容疑者は、スワイダー軍事評議会司令官を名乗る離反士官(大佐)のマルワーン・ハマド氏から1ヶ月半以上前に連絡があり、「バルウース師は決まりを遵守せず、独断的に活動するようになっている。彼を止めねばならない。彼より有能な人物は100人といる」と言われ、バルアーニー師暗殺を持ちかけられたことを証言した。
アブー・トゥッラーバ容疑者が、ハマド氏に自分が何を求められているのかと問いただすと、ハマド氏はバルアーニー師を粛清するよう命じたという。
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一方、『ディヤール』(9月6日付)は、4日のスワイダー市での連続爆破テロで、「カラーマの男たち」の指導者ワヒード・バルウース師が死去したことを受け、共和国護衛隊からドゥルーズ派の兵士の排除がなされた、と伝えた。
アサド大統領への血讐を防止するための措置だという。
AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Diyar, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。
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