クナイトラ県の反体制武装集団が「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」と銘打って、シリア軍への攻撃を激化(2015年9月25日)

クナイトラ県では、クッルナー・シュラカー(9月25日付)によると、クナイトラ県で活動する反体制武装集団が、ダマスカス郊外県西グータ地方に対するシリア政府の包囲を解除するため「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」の戦いを開始した。

「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室に参画したシャームの剣大隊広報局のラーイド・トゥウマ氏によると、この戦いの目的は、クナイトラ県タルジャナ村北東部の丘陵地帯に展開する第4中隊、歩兵中隊などの拠点を制圧し、首都ダマスカスにいたる西グータ地方への進路を確保することにあるという。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍、国防隊と反体制武装集団がハミーディーヤ村、タルジャナ村、ジュャバーター・ハシャブ村一帯で反体制武装集団と交戦したと発表した。

また、マサール・プレス(9月25日付)によると、この戦闘で、「革命家部隊」は、ダマスカス郊外県サアサア町方面で、ダマスカス県とクナイトラ市を結ぶ幹線道路の寸断に成功したという。

なお、ARA News(9月26日付)は、この戦いに関して、「イスラーム軍が行っている」と伝えた。

一方、SANA(9月25日付)によると、アイン・バイダー村、ジュャバーター・ハシャブ村、サーヒー丘北部、ウーファーニヤー村、ハミーディーヤ村一帯、アマル農場、ハドル村東部南東部、ハーン・アルナバ村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アクラバー村をシリア軍が空爆した。

一方、SANA(9月25日付)によると、シャイフ・マスキーン市、ダルアー市・ガラズ刑務所間街道、ダルアー市Syriatelビル南部で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がドゥーマー市、バラダー渓谷一帯を「樽爆弾」などで空爆、また国防隊とともに同地の反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月25日付)によると、ザブディーン村、ザマーニーヤ村、ダイル・サルマーン町など東グータ地方各所で、シリア軍がイスラーム軍と交戦し、戦闘員14人を殲滅した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がアレッポ市アーミリーヤ地区でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アレッポ市バーブ・ナスル地区、サーフール地区、ラーシディーン地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアブー・ズフール航空基地、サルジャ村、アルバイーン山一帯を空爆した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ばバルアース村を空爆した。

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ダマスカス県では、SANA(9月25日付)によると、ジャウバル地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(9月26日付)は、シリア軍が毒ガスを装填した迫撃砲でジャウバル区を砲撃し、住民複数名が中毒症状を訴えたと伝えた。

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ヒムス県では、SANA(9月25日付)によると、キースィーン村、ガジャル、ラスタン市、ファルハーニーヤ村、南マシュジャル村、ジュッブ・ジャッラーフ村、ダブール丘、アブー・サナースィル丘で、シリア軍、国防隊が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, September 25, 2015、AP, September 25, 2015、ARA News, September 25, 2015、September 26, 2015、Champress, September 25, 2015、al-Hayat, September 26, 2015、Iraqi News, September 25, 2015、Kull-na Shuraka’, September 25, 2015、September 26, 2015、al-Mada Press, September 25, 2015、Masar Press Agency, September 25, 2015、Naharnet, September 25, 2015、NNA, September 25, 2015、Reuters, September 25, 2015、SANA, September 25, 2015、UPI, September 25, 2015などをもとに作成。

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