ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はマナール・チャンネル(9月25日付)のインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢について、一部の大国がシリア政府とその同盟者の不屈を前に従来の姿勢を転換させつつある、との見方を示した。
ナスルッラー書記長は以下のように述べた。
「シリアに対する5年に及ぶ世界規模の戦争は、体制を転覆させ、国(シリア)を支配することが目的だった。だが、シリアとその同盟者が見せた不屈の忍耐が、我々が今日目の当たりにしている現状の背景にある最大の要因だ」。
「我々が目の当たりにしている現状とは、米国としてダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の戦略が頓挫したというものだ。欧州諸国は今や新たな脅威、すなわち難民問題に直面し、彼らには二つの選択肢しかない。シリアでの戦争を止めるか、難民を受け入れるかだ」。
「米国は、シリアをめぐる交渉でイラン人を説得できると思っていた。しかし、こうした試みも終わった」。
「ロシアとイラン、イラク、トルコといった国の高官らとの間で、何度か会談が持たれ、これらの国は真の反テロ部隊を作ることについて真剣な協議を行った」。
「バッシャール・アサド大統領を支援するというロシアとイランの姿勢は断固たるものだ…。ヒズブッラーはその前線を支援するためにシリアに入るあらゆる部隊(ロシア軍)を歓迎する。なぜなら、そうした部隊は、シリアと地域が直面している最大の脅威を排除することに貢献するからだ…ロシアの動きは、前述の四カ国(イラク、イラン、トルコ、シリア)との調整のもとに行われている」。
「我々はザバダーニー市での戦闘を7月1日に開始し、周辺のすべての丘陵地帯と村々を掌握した。武装集団は2週間もしないうちに、救難を求めるようになった…。彼らはその後、フーア市・カファルヤー町とザバダーニー市を結びつけるようになり、フーア市とカファルヤー町に圧力をかければザバダーニー市の戦況が改善すると考えるようになった…。彼らがザバダーニー市の問題を絡めてきたとき、我々はチャンスだと思った。我々は、ザバダーニー市の完全制圧を控えることで、フーア市とカファルヤー町を守ったのだ」。
AFP, September 25, 2015、AP, September 25, 2015、ARA News, September 25, 2015、Champress, September 25, 2015、al-Hayat, September 26, 2015、Iraqi News, September 25, 2015、Kull-na Shuraka’, September 25, 2015、al-Mada Press, September 25, 2015、Qanat al-Manar, September 25, 2015、Naharnet, September 25, 2015、NNA, September 25, 2015、Reuters, September 25, 2015、SANA, September 25, 2015、UPI, September 25, 2015などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.