ダルアー県で反体制武装集団メンバー450人、民間人法律違反者250人が集団投降、「解放区」の自治失敗などが要因(2015年10月3日)

SANA(10月3日付)などは、ダルアー県のイズラア市で、反体制武装集団メンバー約450人が地元和解プロセスの一環で治安当局に投降し、武器を引き渡したと伝えた。

投降した戦闘員はその後、放免となったという。

SANAはまた、このほかにもダルアー県各所(フラーク市など)で民間人法律違反者(指名手配者)約250人が当局に投降し、放免となり、投降者の数は700人に達したと付言した。

これに関して、ダルアー県の市民運動家の一人アリー・ミスリー氏はクッルナー・シュラカー(10月5日付)に対して、「和解は今回が初めてではなく、昨年にも多くの和解が行われた。しかし、これまでの和解は個人レベルで行われていた。これほど大規模な集団レベルでの和解はこれが初めてだ」と述べた。

ダルアー県各所で投降した民間人のなかには、シリア政府支配地域に対する反体制武装集団の砲撃による治安の悪化を受けて、無断欠勤を続けていた公務員・従業員らも含まれているという。

無断欠勤に伴い給与支払いを停止されていた彼らは、給与を得るために和解に応じた側面もあるという。

また、反体制武装集団によるいわゆる「解放区」での自治運営、治安対策の失敗も、民間人法律違反者の投降を後押ししていたという。

Kull-na Shuraka’, October 5, 2015、SANA, October 3, 2015などをもとに作成。

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