シリア軍がダーイシュとの戦闘の末、アレッポ市にいたる唯一の兵站路を奪還:ヒムス県ではロシア軍と思われる戦闘機の爆撃で住民23人とダーイシュ(イスラーム国)戦闘員が死亡(2015年11月4日)

アレッポ県では、SANA(11月4日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ハナースィル市・イスリヤー村(ハマー県)街道(アレッポ市・サラミーヤ街道)一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、ダーイシュによって占拠されていた街道一帯を制圧し、アレッポ市にいたる兵站路を開放した。

ハナースィル市・イスリヤー村街道は10月23日にダーイシュによって占拠されていた。

シリア人権監視団によると、シリア軍とダーイシュは街道から約10キロ離れた地点で依然として戦闘を続けているという。

シリア軍はまた、シャイフ・アフマド村、タッル・アフマル村、クワイリス航空基地南部一帯でダーイシュ拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

Kull-na Shuraka', November 4, 2015

Kull-na Shuraka’, November 4, 2015

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるカルヤタイン市を空爆し、子供3人を含む23人が死亡した。

同監視団によると、この空爆でダーイシュ戦闘員も死亡したというが、その数については明らかにしなかった。

一方、SANA(11月4日付)によると、シリア軍がマヒーン町、カルヤタイン市、シャーイル・ガス採掘所一帯、ジュッブ・ジャラーフ村東部でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月4日付)によると、シリア軍がジャフラ村、ハウィージャト・マリーイーヤ村、タービヤ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(11月4日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)に近い消息筋の話として、ダイル・ザウル市内ドゥーワ地区に突入しようしたシリア軍とダーイシュが交戦、シリア軍兵士85人が死亡したと伝えた。

また、ARA News(11月4日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマヤーディーン市で住民70人近くを逮捕した。

ダーイシュによる住民の逮捕は2日前から行われているという。

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ラッカ県では、ARA News(11月4日付)によると、タッル・アブヤド市一帯にトルコ軍が連日攻撃を行うなか、同市東部入り口にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の検問所に対してダーイシュ(イスラーム国)が自爆攻撃を行った。

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ハサカ県では、ARA News(11月4日付)によると、ハサカ市南部のアトシャーン村で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、多数の死傷者が出た。

またラアス・アイン市でも西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の検問所近くで爆弾が仕掛けれたバイクが爆発した。

AFP, November 4, 2015、AP, November 4, 2015、ARA News, November 4, 2015、Champress, November 4, 2015、al-Hayat, November 5, 2015、Iraqi News, November 4, 2015、Kull-na Shuraka’, November 4, 2015、al-Mada Press, November 4, 2015、Naharnet, November 4, 2015、NNA, November 4, 2015、Reuters, November 4, 2015、SANA, November 4, 2015、UPI, November 4, 2015などをもとに作成。

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