G20参加国のシリア情勢をめぐる主な言動(4):キャメロン英首相「ロシアとの亀裂は縮まった…。シリア領内での爆撃に向け下院を説得する」(2015年11月16日)

英国のデヴィッド・キャメロン首相は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領との会談後BBC(11月16日付)に対して、アサド大統領の処遇をめぐるロシアとの「亀裂が縮まった」と述べた。

キャメロン首相は「我々は、アサドがただちに去らねばならないと考えているが、プーチン大統領らは彼を支援し続けている。しかし私は亀裂は縮まったと思う。我々は亀裂を打破できると考えているが、双方の間で妥協が必要となろう」と述べた。

一方、キャメロン首相は、シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)への空爆に参加したいとの意向を改めて示し、そのために英国下院を説得する必要があると述べた。

キャメロン首相は「ダーイシュはイラク・シリア国境を承認していない。我々もこの組織を承認してはならないが、彼らが国境を認めていないことを踏まえておく必要がある。私は議会にこのことを伝え、また多くの人々を説得するつもりだ」と述べ、シリア領内でのダーイシュ空爆をめざす意思を改めて表明した。

キャメロン首相は2013年8月にダマスカス郊外県で化学兵器使用事件が発生した際、米国、フランスとともにシリア政府への懲罰目的の限定的空爆の実施を企図したが、下院の否決を受け、これを断念している。

AFP, November 16, 2015、AP, November 16, 2015、ARA News, November 16, 2015、Champress, November 16, 2015、al-Hayat, November 17, 2015、Iraqi News, November 16, 2015、Kull-na Shuraka’, November 16, 2015、al-Mada Press, November 16, 2015、Naharnet, November 16, 2015、NNA, November 16, 2015、Reuters, November 16, 2015、SANA, November 16, 2015、UPI, November 16, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.