米大統領特使ブレット・マクガーク氏が西クルディスタン移行期民政局実効支配下のアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市を訪問し、同民政局人民防衛隊主体のシリア民主軍幹部と会談した。
複数のクルド筋がAFP(2月1日付)に明らかにしたところによると、マクガーク氏は、英仏両国の高官とともに現地入りし、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「軍事計画」について主に意見が交わされたという。
会談には、シリア民主軍の幹部に加えて、西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区、コバネの代表も参加、米国高官から「自治はあなた方の権利だ。なぜなら、あなた方は過激派ダーイシュと戦い、彼らをこの地域から放逐したからだ。将来のシリアは民主的な国となり、クルド人民の権利が尊重され、そのことはシリアの新憲法でも保障されるだろう」との言葉を受けたという。
米匿名高官によると、この訪問は、マクガーク氏のもとで進行中の有志連合によるダーイシュへの圧力強化の一環として行われたものだというが、その詳細については明らかにしなかった。
なお、シリア人権監視団によると、マクガーク氏らは1月31日にヘリコプターでハサカ県ルマイラーン町近郊の農業用飛行場に入り、同地からトルコ国境に近いアイン・アラブ市に向かったという。
この農業飛行場は米軍が滑走路などの拡張工事を完了させたばかり。
AFP, February 1, 2016、AP, February 1, 2016、ARA News, February 1, 2016、Champress, February 1, 2016、al-Hayat, February 2, 2016、Iraqi News, February 1, 2016、Kull-na Shuraka’, February 1, 2016、al-Mada Press, February 1, 2016、Naharnet, February 1, 2016、NNA, February 1, 2016、Reuters, February 1, 2016、SANA, February 1, 2016、UPI, February 1, 2016などをもとに作成。
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