アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、ジュンド・アクサー機構、トルキスターン・イスラーム党、そしてチェチェン系戦闘員(コーカサス人大隊)からなるジハード主義武装集団が、アレッポ市と県南東部をアレッポ市・イスリヤー村街道一帯に侵攻し、シリア軍と交戦した。
この侵攻と並行して、ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県南東部とハマー県とを結ぶイスリヤー村・ハナースィル市街道一帯に侵攻し、シリア軍と交戦し、ハナースィル市郊外のシリア軍拠点2カ所を制圧した。
この攻撃に関して、SNN(2月22日付)などは、ダーイシュとアル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構がシリア軍の拠点攻撃で「連携していたように思える」と伝えた。
SNNによると、ジュンド・アクサー機構、コーカサス人大隊は、マアナーヤー村、ブルジュ・ザアルール村、ラスム・カラア村などでシリア軍の拠点を攻撃、制圧する一方、ダーイシュはジュンド・アクサー機構と連携し、ラスム・ナフル村、タウィーラ村、カラア丘などを制圧したという。
ジュンド・アクサー機構は密かにダーイシュに忠誠を誓っていると報じられているが、ジュンド・アクサー機構自体はこれを否定している。
しかし、ジュンド・アクサー機構は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線やシャーム自由人イスラーム運動が主導するファトフ軍が、ダーイシュとの交戦を求めたことに反発するかたちで、ファトフ軍を脱退している。
なお、クッルナー・シュラカー(2月22日付)によると、1週間ほど前には、ハマー県とイドリブ県で活動するジュンド・アクサー機構の幹部12人が離反し、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線に加わっていた。
一方、シリア軍は、ハマーム丘東部の拠点2カ所のうちの1カ所をダーイシュから奪還したと発表した。
また、SANA(2月22日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がハマー県との県境に位置するイスリヤー村・ハナースィル市回廊に侵攻し、両県を結ぶシリア軍の兵站路を遮断しようとしたが、シリア軍が人民防衛諸組織とともに応戦し、ダーイシュの車輌14輌を破壊した。
AFP, February 22, 2016、AP, February 22, 2016、ARA News, February 22, 2016、Champress, February 22, 2016、al-Hayat, February 23, 2016、Iraqi News, February 22, 2016、Kull-na Shuraka’, February 22, 2016、al-Mada Press, February 22, 2016、Naharnet, February 22, 2016、NNA, February 22, 2016、Reuters, February 22, 2016、SANA, February 22, 2016、SNN, February 22, 2016、UPI, February 22, 2016などをもとに作成。
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