シリア軍によるアレッポ市南部のアイス村奪還について情報が錯綜するなか、シリア軍はイドリブ県、ハマー県でヌスラ戦線、シャーム自由人などからなるファトフ軍に対して爆撃を実施(2016年4月12日)

アレッポ県では、『ハヤート』(4月13日付)によると、イラク人からなるシーア派民兵の「ヌジャバー運動」は声明を出し、シリア軍が早朝にアイス村およびアイス丘一帯でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、「穏健な反体制派」と目される武装集団などへの攻撃を強化、同地を奪還したと発表した。

SNN(4月12日付)も、イラン人、アフガン人からなるシーア派民兵とヒズブッラー戦闘員が、シリア軍の砲撃やロシア軍の空爆の支援を受け、反体制派と交戦し、アイス村を制圧したと伝えた。

その後、ドゥラル・シャーミーヤ(4月12日付)は、ヌスラ戦線がアイス村方面に進軍中のイラン陸軍第65師団をアイス村・ハーディル村間で2度にわたり要撃し、イラン軍兵士50人を殲滅し、アイス村一帯を奪還したと報じた。

シリア人権監視団によると、両者の戦闘はアイス村一帯で継続中で、反体制武装集団はシリア軍によって奪われた拠点複数カ所を奪還したという。

一方、SANA(4月12日付)によると、シリア軍がアレッポ市マルジャ地区、カラム・タッハーン地区、カーディー・アスカル地区、ブアイディーン地区、カルム・カーティルジー地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、SANA(4月12日付)によると、シリア軍が、サラーキブ市で、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ナスル軍、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム軍団、ジュンド・アクサー機構の拠点に対して空爆を実施した。

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ハマー県では、SANA(4月12日付)によると、シリア軍がアンカーウィー村、カフルヌブーダ町、クライディーン村、アービディーン村、タッル・ワースィト村、タッル・ジャズーム村、カーヒラ村、マンスーラ村、マシーク村でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の拠点を空爆した。

シリア軍はまた、カフルズィーター市、ジャイサート村でナスル軍、シャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム軍団の車輌を空爆した。

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ダルアー県では、SANA(4月12日付)によると、シリア軍がダルアー市ハマーディーン地区、シャイフ・フサイン丘、ハリーフ丘一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、ダルアー県で活動する南部戦線所属の武装集団3組織が声明を出し、第46歩兵師団として統合すると発表した。
統合したのは、第24歩兵師団、第69特殊任務師団、第1特殊任務旅団。

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ヒムス県では、SANA(4月12日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村、タルビーサ市、ダイル・フール村、イッズッディーン村、ウンム・シャルシューフ村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を空爆した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月11日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はラタキア県で報告された。

AFP, April 12, 2016、AP, April 12, 2016、ARA News, April 12, 2016、Champress, April 12, 2016、al-Durar al-Shamiya, April 12, 2016、al-Hayat, April 13, 2016、Iraqi News, April 12, 2016、Kull-na Shuraka’, April 12, 2016、April 13, 2016、al-Mada Press, April 12, 2016、Naharnet, April 12, 2016、NNA, April 12, 2016、Reuters, April 12, 2016、SANA, April 12, 2016、SNN, April 12, 2016、UPI, April 12, 2016などをもとに作成。

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