シリア政府代表団長のジャアファリー国連シリア代表「リヤド最高交渉委員会がボイコットしたいなら、そうしてもよい。なぜなら彼らは反体制派唯一の代表者ではないからだ」(2016年4月19日)

ジュネーブ3会議に参加するシリア政府代表団の団長を務めるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は滞在中のジュネーブでロイター通信(4月19日付)のインタビューに応じ、そのなかでリヤド最高交渉委員会による協議参加中止決定に関して、ほかの反体制派との協議を継続する意向を示した。

ジャアファリー国連シリア代表は「反体制派は、サウジアラビアで作り出されたリヤド最高交渉委員会によって独占されている訳ではない…。彼らがボイコットしたいのなら、そうしてもよい。このことは我々にとって大きな問題ではない。なぜなら彼らはシリアの反体制派唯一の代表者ではないからだ」と述べた。

ジャアファリー国連シリア代表はまた、「リヤド最高交渉委員会はジュネーブ・プロセスの当初から問題を作り出し、協議を中止、ないしは延期すると脅迫してきた。なぜなら、支援者であるサウジアラビア、トルコ、カタールからの支持を待っているからだ…。これは政治的な拒否だ」と批判した。

**

ジャアファリー国連シリア代表はまた、AFP(4月19日付)に対して、アサド大統領による副大統領3名の任命に関するスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の提案に関して、「デミストゥラ氏とは議論していないし…、今後のいかなる協議でも議論することはない。なぜなら、ジュネーブで協議を行う者には権限がないからだ」と述べた。

ジャアファリー国連シリア代表はさらに「国連共同特別代表は我々にそうした提案すら行っていない。この問題について協議したとの一部情報断固として否定する…。この問題に立ち入ったことは事実だが、それは簡単且つ表面的なものだった」と付言した。

またアサド大統領の進退に関しては、「我々はデミストゥラ氏に、我々の権限は…挙国一致内閣が発足することで停止し、挙国一致内閣こそが主要な議題であると伝えた。また、シリア大統領の将来を議論することが我々の権限外、専門外でるとも伝えた」と述べた。

AFP, April 19, 2016、AP, April 19, 2016、ARA News, April 19, 2016、Champress, April 19, 2016、al-Hayat, April 20, 2016、Iraqi News, April 19, 2016、Kull-na Shuraka’, April 19, 2016、al-Mada Press, April 19, 2016、Naharnet, April 19, 2016、NNA, April 19, 2016、Reuters, April 19, 2016、SANA, April 19, 2016、UPI, April 19, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.