アレッポ市一帯でヌスラ戦線主導の反体制派と戦闘を続けるなか、シリア軍がダマスカス郊外県ダーライヤー市に攻撃激化(2016年5月14日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月14日付)などによると、シリア軍がダーライヤー市に対して攻勢を強め、同地およびその一帯を砲撃、地上部隊が市内に突入した。

シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊はまた、ドゥーマー市南部郊外一帯でジハード主義武装集団と交戦し、同地を地対地ミサイルと思われる砲弾などで砲撃した。

ハーマ町のナイーム・モスク近くで爆弾が爆発し、男性1人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部郊外ハーン・トゥーマーン市一帯で、シリア軍、国防隊、外国人戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍と交戦した。

またアレッポ市では、シリア軍が反体制武装集団の支配下にあるジュッブ・クッバ地区、バーブ・ナイラブ街道一帯などを、反体制武装集団がアアザミーヤ地区、ハムダーニーヤ地区を砲撃し、サラーフッディーン地区での砲撃では女性1人が死亡した。

アレッポ市北部では、ハンダラート・キャンプに近いマダーファ丘一帯にあるシリア軍拠点をジハード主義武装集団が攻撃、対するシリア軍もハンダラート・キャンプ一帯の武装集団拠点を砲撃した。

さらに、ロシア軍と思われる戦闘機がハンダラート・キャンプ一帯、カースティールー街道一帯を15回以上にわたって空爆した。

一方、ARA News(5月14日付)によると、スンナ軍第13大隊などからなる反体制武装集団が前日に引き続き、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアフリーン市に対して無差別砲撃を行った。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカッバーニー村一帯、クルド山一帯を「樽爆弾」で空爆した。

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ヒムス県では、ARA News(5月14日付)によると、シリア軍と思われる戦闘機がタルビーサ市を空爆し1人が死亡した。

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ハマー県では、SANA(5月14日付)によると、シリア軍がカンタラ村に向けて移動中のシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団に対して特殊作戦を行い、戦闘員を殲滅した。

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ダルアー県では、SANA(5月14日付)によると、シリア軍がダルアー市マンシヤ地区、難民キャンプ地区一帯でシャームの民のヌスラ戦線、南部タウヒード旅団などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月13日に6件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はアレッポ県、ダマスカス郊外県で発生し、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍が砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は538件。

AFP, May 14, 2016、AP, May 14, 2016、ARA News, May 14, 2016、Champress, May 14, 2016、al-Hayat, May 15, 2016、Iraqi News, May 14, 2016、Kull-na Shuraka’, May 14, 2016、al-Mada Press, May 14, 2016、Naharnet, May 14, 2016、NNA, May 14, 2016、Reuters, May 14, 2016、SANA, May 14, 2016、UPI, May 14, 2016などをもとに作成。

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