ダーイシュはシリア軍が進軍するラッカ県の複数村を、YPG主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市周辺の複数村を奪還(2016年6月21日)

ラッカ県では、SNN(6月21日付)などによると、ダーイシュ(イスラーム国)がラサーファ市、アブー・アラージュ村一帯などで反撃し、シリア軍は同地から撤退した。

これに関して、シリア人権監視団は、ロシア軍が20日にラッカ県に展開するシリア軍の航空支援を行わなかったことが、シリア軍撤退の主因だとの見方を示した。

これに関して、ダーイシュの広報部門アアマーク通信は、ダーイシュがシリア軍との戦闘の末にヒルバト・ザイダーン村、アブー・アラージュ村、イスリヤー村街道のシリア軍拠点を制圧したと発表した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘の末、マンビジュ市郊外の3カ村を奪還した。

この3カ村をめぐる戦闘で、シリア民主軍の戦闘員28人が死亡したという。

これに関して、ダーイシュの広報部門アアマーク通信は、シリア民主軍との戦闘の末に、マンビジュ市南部および西部のヒルバト・ルース村、ジュッブ・アシャラ村、大ガッラ村、小ガッラ村、ナシャミーヤ村、シャイフ・ナースィル村を奪還したと発表した。

一方、ARA News(6月21日付)によると、ダーイシュはまた、マンビジュ市東部入口でマンビジュ軍事評議会の戦闘員を狙った自爆攻撃を行ったが、死傷者はなかった。

このほか、クッルナー・シュラカー(6月22日付)によると、スルターン・ムラード旅団などからなる反体制武装集団がタッル・バッタール村、シャーヒーン農場一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を制圧した。

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スワイダー県では、SANA(6月21日付)によると、シリア軍がアシュハイブ丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

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ハマー県では、ダーイシュ(イスラーム国)の広報部門アアマーク通信は、ダーイシュがタドムル市東部郊外の穀物サイロ地区にあるロシア軍の基地を攻撃したと発表した。

AFP, June 21, 2016、AP, June 21, 2016、ARA News, June 21, 2016、Champress, June 21, 2016、al-Hayat, June 22, 2016、Iraqi News, June 21, 2016、Kull-na Shuraka’, June 21, 2016、June 22, 2016、al-Mada Press, June 21, 2016、Naharnet, June 21, 2016、NNA, June 21, 2016、Reuters, June 21, 2016、SANA, June 21, 2016、SNN, June 21, 2016、UPI, June 21, 2016などをもとに作成。

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