イスラーム軍がダマスカス郊外県でシリア軍のヘリコプターと戦闘機を撃墜したと主張するも、シリア人権監視団は被弾した戦闘機は基地に帰還したと発表(2016年6月27日)

ダマスカス郊外県では、イスラーム軍が声明を出し、26日晩に、東グータ地方でシリア軍ヘリコプターを26日に撃墜したと発表した。

イスラーム軍はまた、東グータ地方スィーン航空基地近くでシリア軍のMiG29戦闘機を撃墜したと発表した。

イスラーム軍の発表によると、パイロット1人がこれによって死亡したという。

これに関して、シリア人権監視団は、スィーン航空基地近くで、MiG29戦闘機ではなく、MiG23戦闘機が被弾したとしつつ、同機は墜落せずに航空基地に帰還したと発表した。

一方、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市北部のダマスカス・ヒムス高速道路一帯、バハーリーヤ村一帯で、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

またSNN(6月27日付)によると、戦闘機およびヘリコプターが、ハズラマー村、マイダアー町、バハーリーヤ村、ダイルハビーヤ村、ダルーシャー村、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯、ダーライヤー市を「樽爆弾」などで空爆した。

このほか、ARA News(6月27日付)によると、国連とシリア赤新月社の支援チームがクドスィーヤ市に貨物車輌44輌分の支援物資を搬入した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団、SNN(6月27日付)によると、アレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区、フライターン市、アナダーン市、カフルハムラ村、アレッポ市ライラムーン地区、タームーラ村、カフル・ハラブ村、アウラム・クブラー町、カフルナーハー村を戦闘機(所属明示せず)が空爆するなか、アルド・マッラーフ地区一帯で、シリア軍がジハード主義武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)と激しく交戦した。

シリア軍は26日、アルド・マッラーフ地区東部の農場地帯を制圧している。

またアレッポ市南部郊外一帯では、戦闘機(所属明示せず)が、ハーン・トゥーマーン村、ハルサ村、ジュッブ・カース村、ウスマーニーヤ村、カスィービーヤ村、ICARDA一帯のファトフ軍拠点を空爆した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(6月27日付)によると、マアッラト・ミスリーン市とシャイフ・バフル村を結ぶ街道に仕掛けられちた爆弾が爆発し、近くを走行していたシャーム自由人イスラーム運動(サアド末裔大隊)のメンバー2人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がラスタン市一帯を空爆した。

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ダルアー県では、SANA(6月27日付)によると、シリア軍がダルアー市バハーラ地区、難民キャンプ地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ハマー県では、クッルナー・シュラカー(6月27日付)によると、反対武装集団7組織がカフルヌブーダ革命家戦線の結成を発表した。

カフルヌブーダ革命家戦線の結成に参加したのは、カフルヌブーダ第1旅団、カフルヌブーダ・シャーム・フィダーイーン旅団、ハフサト・ウンム・ムウミニーン大隊(カフルヌブーダ自由人)、カフルヌブーダ・ハラマイン旅団、カフルヌブーダ殉教者大隊、カフルヌブーダ・フルサーン・ハック大隊、カフルヌブーダ・シャームの民大隊、カフルヌブーダの鷹大隊。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、6月26日に3件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス県郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

AFP, June 27, 2016、AP, June 27, 2016、ARA News, June 27, 2016、Champress, June 27, 2016、al-Hayat, June 28, 2016、Iraqi News, June 27, 2016、Kull-na Shuraka’, June 27, 2016、al-Mada Press, June 27, 2016、Naharnet, June 27, 2016、NNA, June 27, 2016、Reuters, June 27, 2016、SANA, June 27, 2016、SNN, June 27, 2016、UPI, June 27, 2016などをもとに作成。

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