アレッポ県では、ARA News(6月29日付)によると、シリア軍もクドス旅団(パレスチナ人)とともにアレッポ市北部入口のカースティールー街道一帯に近いウサーマート地区、マッラーフ農場一帯でアレッポ・ファトフ軍作戦司令室と交戦し、同地を制圧した。
これに対し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、およびアレッポ・ファトフ軍作戦司令室に所属するそのほかの武装集団がハンダラート・キャンプ一帯のシリア軍拠点に対して自爆攻撃を行うなどして反撃、ウサーマート地区、マッラーフ農場、アラブ・サッルーム村を奪還した。
また、アレッポ市南部では、シリア軍、イラク人、イラン人民兵がアレッポ市ラームーサ地区などでアレッポ・ファトフ軍作戦司令室と交戦した。
一方、SANA(6月29日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を反体制武装集団が砲撃し、子供5人を含む12人が負傷した。
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イドリブ県では、ARA News(6月29日付)によると、ロシア軍戦闘機がイドリブ市の住宅街を空爆し、住民4人が死亡、数十人が負傷した。
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ラタキア県では、クッルナー・シュラカー(6月29日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団が「ヤルムークの戦い」を継続、クルド山一帯のシリア軍拠点4カ所を制圧した。
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ダマスカス郊外県では、AFP(6月30日付)によると、国連とシリア赤新月社の支援チームが、シリア軍の包囲を受けるアルバイン市、ザマルカー町に対して医療支援物資を搬入した。
搬入された物資は貨物車輌37輌分で、同地に支援物資が入るのはこれが初めて。
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ダルアー県では、SANA(6月29日付)によると、シリア軍がダルアー市電力会社一帯などでシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、6月28日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反はダマスカス県郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は734件。
AFP, June 29, 2016、AP, June 29, 2016、ARA News, June 29, 2016、Champress, June 29, 2016、al-Hayat, June 30, 2016、Iraqi News, June 29, 2016、Kull-na Shuraka’, June 29, 2016、al-Mada Press, June 29, 2016、Naharnet, June 29, 2016、NNA, June 29, 2016、Reuters, June 29, 2016、SANA, June 29, 2016、UPI, June 29, 2016などをもとに作成。
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