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アサド政権の動き
シリア外務省のジハード・マクディスィー報道官は声明を出し、シリア政府によるアナン特使停戦案の履行が、「武装テロ集団」が暴力を停止する旨誓約した文書の提出と、トルコ、カタール、サウジアラビアによる「武装テロ集団」への武器資金供与停止の文書による誓約が条件となるとの姿勢を示した。
声明では、マクディスィー報道官は「アナン特使の安保理での報告とこれに基づき先日採択された安保理議長声明は、シリアがあたかも4月10日に都市部およびその周辺から撤退することを断言したかのような解釈がなされている。しかしこのような解釈は誤りである。なぜなら、アナン特使はシリア政府に対して、カタール、サウジアラビア、カタールの政府が武装テロ集団への資金・武器支援を停止するとの文書による誓約を提出していないからである」と述べた。
国外の反体制勢力の動き
自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐はロイター通信(4月8日付)に対して、アサド政権が権力の座にいる限り、武器引き渡しには応じず、アナン特使の停戦案は失敗するだろう、と述べた。
アスアド大佐は「アナン特使の使節団は我々に何も提示しなかったし、我々は文書によるいかなる誓約も求められなかった。武器引き渡しなどといった誓約はなく、我々は武器を引き渡さない。政府軍が都市部から撤退しなければならない。政府が権力の座にいる限り、我々は武器を渡さないだろう。それゆえ、政府はアナン特使の調停案を履行しないだろう」と述べた。
また、アスアド大佐はUPI(4月8日付)に対して、「アナン特使の停戦案を履行する準備はある」と述べた。
しかし「自由シリア軍はシリア政府を承認していない…。そのため、我々は(停戦履行を)保障できない」と付言した。
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一方、自由シリア軍のカースィム・サアドッディーン大佐は、4月10日の停戦期限を遵守するとの姿勢を示した。
サアドッディーン大佐は、「我々は今月10日に戦闘を停止し、アナン特使の和平案を履行する。我々は政府が撤退しなくても履行する」と述べた。
国内の暴力
シリア人権監視団によると、各地での軍・治安部隊と離反兵との戦闘によって31人が死亡した。死者の内訳は、民間人12人、軍・治安部隊兵士12人、離反兵7人。
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イドリブ県では、ロイター通信(4月8日付)が複数の反体制活動家の話として伝えたところによると、軍・治安部隊の戦車・装甲車約90輌がヘリコプターの援護のもと、対トルコ国境の地域(バシーリーヤ村など)に砲撃を行い、数十人が死傷した。
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ハマー県では、ハマー革命評議会広報局メンバーのアブー・ガーズィー・ハマウィー氏なる活動家によると、ラトミーン村に軍・治安部隊が突入し、3件の民家を焼き討ちにした。
またムーリク市、カフルヌブーダ町に対しても同様の攻撃を加えたという。
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ヒムス県では、AFP(4月8日付)がカラム・アブー・ラビーウをなのる活動家の話として、ヒムス市のバーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区、ダイル・バアルバ地区、クスール地区などで軍・治安部隊が砲撃を行い、離反兵と交戦した、と報じた。
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ダマスカス郊外県では、バイト・ジン村で軍・治安部隊と離反兵が交戦し、離反兵5人が死亡した。
またAFP(4月8日付)がザバダーニー調整のアブドゥッラーアブドゥッラフマーン氏なる活動家の話として報じたところによると、マダーヤー町近くで軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦した。
さらに、ダマスカス革命評議会メンバーのディーブ・ディマシュキーなる活動家によると、クドスィーヤ市、ハーマ町に軍・治安部隊が突入し、逮捕・摘発を行ったほか、ダマスカス県バルザ区などでは軍・治安部隊が逮捕・摘発を行い、離反兵が交戦した、という。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジスル・シュグール市東部でヘリコプターが旋回するなか、大きな爆発音や発砲音が聞こえ、軍・治安部隊の発砲により8人が死亡した、という。
またハーン・シャイフーン市でも市民1人が治安部隊に射殺された、という。
さらにカフルナブル市では軍・治安部隊による逮捕・摘発が行われたほか、マアッラズィーター村では軍・治安部隊と離反兵が交戦した。
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アレッポ県では、AFP(4月8日付)がアレッポ調整連合報道官のムハンマド・ハラビーを名のる活動家の話として伝えたところによると、軍・治安部隊と離反兵がタッル・リフアト市、フライターン市、アナダーン市などで交戦し、離反兵1人が死亡した。
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ダルアー県では、ハウラーン調整のメンバーだというルワイユ・ラシュダーン氏によると、カフルシャムス町に軍・治安部隊が突入し、ジャースィム市では軍・治安部隊と離反兵が交戦し、シリア人権監視団によると1人が死亡した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、クーリーヤ氏、ブーカマール市、マヤ-ディーン市で軍・治安部隊が14人を逮捕した。
レバノンの動き
LBC(4月8日付)は、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方マシャーリフ村周辺にシリア軍の迫撃砲弾が着弾した、と報じた。
またAFP(4月8日付)が、複数のレバノン高官の話として報じたところによると、シリア軍はベカーア県バアルベック郡カーア地方に進軍し、反体制勢力と交戦した、と報じた。
進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、ナジーブ・ミーカーティー内閣との関係に関して、シリアの反体制運動支持という姿勢が、レバノン国内の党の政治同盟に変化をもたらすものでないとしたうえで、内閣に残留する意向を示すとともに、ヒズブッラーのレジスタンスによる武器保有を是認する姿勢を示した。
諸外国の動き
マクディスィー報道官の声明に対して、アナン特使付報道官のアフマド・ファウズィー氏は、文書での誓約を求めることを拒否するとともに、同特使が都市部での暴力がエスカレートしていることにショックを感じている、と述べた。
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在シリア米大使館はフェイスブックのページ上で、軍・治安部隊による攻撃の跡を写したシリア各地の衛星写真を公開した。
http://www.facebook.com/notes/us-embassy-damascus/a-message-from-ambassador-ford/10150655544736938
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ベルギーのディディエ・レンデルス外務大臣はテレビ番組(4月8日付)で、アサド政権の「蛮行」が続くのであれば、軍事介入が必要になるかもしれない、と述べた。
AFP, April 8, 2012、Akhbar al-Sharq, April 8, 2012、Facebook, April 8, 2012、al-Hayat, April 9, 2012、Kull-na Shuraka’, April 8, 2012、LBC, April 8, 2012、Naharnet.com, April 8, 2012、Reuters, April 8, 2012、SANA, April 8, 2012などをもとに作成。
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