アレッポ県で、国民解放戦線を主導するヌールッディーン・ザンキー運動とシャーム自由人イスラーム運動がシリアのアル=カーイダのシャーム解放機構幹部2人を殺害(2018年10月29日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月29日付)によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の幹部2人が、カフルハムラ村で国民解放戦線を主導するヌールッディーン・ザンキー運動とシャーム自由人イスラーム運動によって殺害された。

シャーム解放機構に近いイバー・ネット(10月29日付)によると、ヌールッディーン・ザンキー運動の傘下にある「アブー・ズィヤーブ一味」が、シャーム自由人イスラーム運動のメンバーとともに、シャーム解放機構北部地区法学者のアブー・トゥラーブ氏と、同地区副長で説教師のアブー・アクラム氏を撃って殺害したという。

イバー・ネットによると、ヌールッディーン・ザンキー運動とシャーム自由人イスラーム運動はまた、カフルハムラ村に進入し、拠点を設置、抵抗する住民に砲撃を加えたという。

住民からの苦情を受け、シャーム解放機構が事態収拾に乗り出し、アブー・トゥラーブ氏とアブー・アクラム氏が、両組織の拠点撤去を求めるための交渉に臨んだが、乗っていた車がシャーム自由人イスラーム運動の拠点から発砲を受けて、2人とも死亡、また同行した戦闘員や住民多数が負傷したという。

しかし、シャーム自由人イスラーム運動の広報部門であるナダー・スーリーヤ(10月29日付)は、これを否定、カフルハムラ村にある国民解放戦線の拠点の近くに拠点を設置し、挑発したことが、事件の発端となったと発表した。

ナダー・スーリヤーによると、事態を受けて、開かれた両者の会合で、対立を解消することが合意されたが、その直後にシャーム解放機構がカフルハムラ村内で発砲し、強引に拠点を設置しようとし、国民解放戦線の戦闘員に負傷者が出たため、応戦し、2人を殺害したという。

ヌールッディーン・ザンキー運動とシャーム自由人イスラーム運動は、シリア国民戦線として糾合し、関係を深めてきた。

al-Durar al-Shamiya, October 29, 2018

AFP, October 29, 2018、ANHA, October 29, 2018、AP, October 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 29, 2018、al-Hayat, October 30, 2018、Nada’ Suriya, October 29, 2018、Reuters, October 29, 2018、SANA, October 29, 2018、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, October 29, 2018、UPI, October 29, 2018などをもとに作成。

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