シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構に対するロシア・シリア軍の攻撃はさらに拡大、イドリブ県、ハマー県の病院が被弾し利用不要に(2019年5月6日)

イドリブ県では、シリア人権監視団、ANHA(5月6日付)などによると、ロシア軍戦闘機が、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるハーン・スブル村、トゥラムラー村、アブディーター村、カッサービーヤ村灌木地帯、マガッル・ハマーム村、カフル・ウワイド村一帯、カフルサジュナ村、ハーン・シャイフーン市、ナキール村、マウザラ村一帯、ブザーブール村、アブー・フッバ村、ハーン・スブル村を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月6日付)や『ハヤート』(5月7日付)によると、この爆撃でハーッス村(「命の鼓動」(ナブド・ハヤート)病院)、カフルナブル市にある病院が被弾し、いずれも利用不能となり、患者は反体制派支配地の別の病院に移送された。

これに対して、ANHAは、ロシア軍がカフル・ウワイド村、アブディーター村、カフルハマーム村にあるシャーム解放機構の拠点を狙ったと伝えた。

シリア軍戦闘機も、カフルサジュナ村に4回、県東部の無人化した大隊基地に2回の爆撃を行うとともに、ヘリコプターがフバイト村に「樽爆弾」8発を投下、地上部隊もフバイト村を砲撃した。

一方、SANA(5月6日付)によると、シリア軍がアービディーン村、カフルサジュナ村にあるシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の拠点を砲撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(5月6日付)によると、イドリブ県に対するロシア・シリア両軍の攻撃で25人あまりが死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるクライディーン村、カフルズィーター市を爆撃した。

このうちカフルズィーター市への爆撃では病院が被弾、ドゥラル・シャーミーヤ(5月6日付)によると、1人が死亡した。

シリア軍戦闘機もサイヤード村に2回の爆撃を行うとともに、ヘリコプターがカフルヌブーダ町に「樽爆弾」5発を投下、地上部隊も同町を砲撃した。

また、爆撃・砲撃と合わせて、シリア軍が、トルコの支援を受ける国民解放戦線の支配下にあるジャナービラ村に進攻、反体制武装集団が交戦した。

国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官によると、シリア軍は早朝、国民解放戦線の支配下にあるジャナービラ村に進攻し、戦闘の末にこれを撃退したという。

ムスタファー報道官によると、両者の交戦は4月末にロシア・シリア両軍の爆撃が激化して以降初めてだという。

また、シャーム解放機構と共闘する「穏健な反体制派」のイッザ軍のムスタファー・バクール司令官(大佐)は、ドゥラル・シャーミーヤ(5月6日付)に対して、県北部での戦闘でシリア軍兵士50人以上を殺傷したと主張した。

一方、SANA(5月6日付)によると、シリア軍がカフルヌブーダ町にあるシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の拠点を砲撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるズィルバ村、ハミーラ村、シャンナーン村を爆撃した。

ANHA(5月6日付)によると、爆撃はズィルバ村に対しても行われ、ドゥラル・シャーミーヤ(5月6日付)によると、2人が死亡した。

一方、SANA(5月6日付)によると、アレッポ市西部のラーシディーン地区で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発がアレッポ市のサビール地区、ジュマイリーヤ地区に着弾し、住民2人が負傷、住居などが被害を受けた。

**

ラタキア県では、ロシア当事者和解調整センターのヴィクトール・クプチシン(Viktor Kupchishin)司令官(少将)が発表した報道向け声明によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山東部からシリア駐留ロシア軍司令部に設置されているフマイミーム航空基地に対してロケット弾による攻撃があったことを明らかにした。

基地に向けて発射された砲弾は36発に及んだが、ロシア軍の防空兵器が迎撃、人的物的被害はなかったという。

なお、シリア人権監視団によると、ロケット弾の一部は、基地周辺の農地、ジャブラ市近郊のクバイスィーヤ村、ブハドラムー村に着弾した。

**

なお、シリア人権監視団によると、6日の戦闘でシリア軍兵士11人と反体制武装集団戦闘員15人が死亡した。

また、シリア人権監視団によると、4日夜から5日にかけて、ロシア軍戦闘機による爆撃は33回以上に及び、ロシア・シリア両軍の攻撃で4日に20人が死亡したという。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(イドリブ県2件、ラタキア県7件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(アレッポ県2件、イドリブ県1件、ラタキア県4件、ハマー県10件)確認した。

AFP, May 6, 2019、ANHA, May 6, 2019、AP, May 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 6, 2019、al-Hayat, May 7, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 6, 2019をもとに作成。 、Reuters, May 6, 2019、SANA, May 6, 2019、UPI, May 6, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カテゴリー: シリア政府の動き, 反体制勢力の動き, 国内の暴力, 諸外国の動き パーマリンク