イドリブ県、アレッポ県での戦闘でシリア軍兵士1人、国民解放戦線戦闘員1人が死亡(2020年7月8日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから125日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方一帯、シャフシャブー山一帯を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、ルワイハ村一帯に展開するシリア軍を狙撃、兵士1人を殺害した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌25輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が第46連隊基地一帯を砲撃し、国民解放戦線の戦闘員1人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, July 8, 2020、ANHA, July 8, 2020、AP, July 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 8, 2020、Reuters, July 8, 2020、SANA, July 8, 2020、SOHR, July 8, 2020、UPI, July 8, 2020などをもとに作成。

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