ラタキア県ハッダーダ丘でシリア軍と「決戦」作戦司令室の攻防続く(2020年8月6日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから154日目を迎えた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下の戦略的要衝ハッダーダ丘一帯に4度にわたって進攻を試みたが、「決戦」作戦司令室がこれを撃退した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はこの進攻に際して、ハッダーダ丘、マズガリー村、トゥッファーヒーヤ山、フドル丘、タルディーン村、カッバーナ村などを砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府支配下のキンサッバー町一帯、シャルフ砦、トゥーバール砦を砲撃し、シリア軍兵士9人、「決戦」作戦司令室戦闘員5人が死亡したほか、ロシア軍兵士1人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室を主導するシャーム解放機構がシリア政府支配下のサラーキブ市近郊のジャウバース村一帯を砲撃、シリア軍兵士1人が死亡した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室支配下のアーフィス村、ザーウィヤ山地方のバイニーン村、ダイル・サンバル村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約50輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市ダルアー・バラド地区で、シリア軍兵士1人が何者かの発砲を受けて死亡した。

AFP, August 6, 2020、ANHA, August 6, 2020、AP, August 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2020、Reuters, August 6, 2020、SANA, August 6, 2020、SOHR, August 6, 2020、UPI, August 6, 2020などをもとに作成。

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