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国内の暴力・デモ
軍・治安部隊は、アレッポ県アアザール市など各地、ヒムス県、ダイル・ザウル県、イドリブ県、ダルアー県、ダマスカス郊外県などで反体制(武装)勢力の掃討作戦を継続し、地元調整諸委員会の複数の活動家によると、15人が殺害された。
これに関して、『ハヤート』(3月24日付)はロンドンを拠点とするシリア人権監視団の情報をもとに、「抗議行動開始以来最大規模のデモがシリアの首都ダマスカスで発生した」と報じた。
しかし、デモ弾圧で死者は出ていないこと(シリア人権監視団発表)を踏まえると、デモは短時間の散発的・突発的なもので、政権による一定程度の黙認のもとに発生したと考えるのが妥当だろう。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊と離反兵がトルコ国境のアアザール市(アレッポ県)で激しく交戦し、軍・治安部隊兵士3人と離反兵1人が死亡した。
アレッポ調整連合報道官のムハンマド・ハラビーを名のる活動家によると、戦闘は22日昼から続いているという。
アアザール市はトルコへの離反兵や避難民の通行の要所。
またアレッポ調整連合によると、アレッポ市のサラーフッディーン地区、マルジャ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、スッカリー地区、アンサーリー地区、フィルドゥース地区、ブスターン・カスル地区、マシュハド地区、ハムダーニーヤ地区、フルカーン地区、ジュダイダ地区などで20以上の反体制デモが発生し、治安部隊が強制排除した。
またバーブ市、マンビジュ市など約50カ所で反体制デモが発生した、という。
複数の活動家によると、各デモの参加者数は数百人から数千人で、スッカリー地区などでのデモは過去最大規模だったという。
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ダマスカス県およびダマスカス郊外県では、金曜礼拝後に、マイダーン地区、タダームン区、カフルスーサ区で数千人がデモを行い、治安部隊の強制排除で8人が負傷した。
地元調整諸委員会によると、治安部隊はすべてのモスクを包囲し、デモを阻止しようとしていたという。
またダマスカス・郊外調整連合のムハンマド・シャーミー報道官なる人物によると、夜間にも、マイダーン地区、ルクンッディーン区、バルザ区、ジャウバル区、ドゥーマー市、ムライハ市、アルバイン市、ハーマ町などで反体制デモが行われた。
一方、SANA(3月23日付)によると、ダマスカス県サブア・バフラート広場で、外国の内政干渉拒否、改革支持を訴える大規模集会が開催された。
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イドリブ県では、シリア人権監視団などによると、ハーン・シャイフーン市、ビンニシュ市、カフルナブル市、マアッラト・ヌウマーン市などで反体制デモが発生した。
また地元調整諸委員会によると、県北部で反体制活動家が治安要員17人を捕捉した。
一方、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が集まるハーッス村のモスク近くで爆弾が爆発した。
また、カフル・ウワイド氏の市民の遺体が発見された。
この市民は軍・治安部隊の検問所に食糧を運んでいたという。
これに対して、SANA(3月23日付)は、サルミーン市で治安維持部隊と武装テロ集団が交戦し、テロリスト多数を殺害、逮捕した、と報じた。
同報道によると、この戦闘で、活動家(テロリスト)のフスニー・アブドゥッラッザーク氏、ムハンマド・サーディク・アブドゥッラッザーク氏、ムハンマド・カッドゥール氏、アブドゥルカーフィー・ハルムーシュ氏が殺害された、という。
このほか、SANA(3月23日付)によると、武装テロ集団がマアーッラト・イフワーンとブシャマールーン間の線路を破壊した。
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ヒムス県では、複数の反体制活動家によると、ヒムス市のバーブ・ドゥライブ地区、サフサーファ地区、ワルシャ地区、バーブ・スィバーア地区で軍・治安部隊による「砲撃」があり、2人が死亡した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カルアト・マディーク町で離反兵が軍・治安部隊兵士1人を殺害した。
また同監視団によると、ハマー市アルバイーン地区、ムーリク市、カフルズィーター市で反体制デモが行われ、治安部隊が強制排除した。
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ダイル・ザウル県では、地元調整諸委員会によると、ダイル・ザウル市で治安部隊がデモ参加者を強制排除を試み、複数が負傷した。
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ハサカ県では、カーミシュリー市、ラアス・アイン市、マーリキーヤ市、ダルバースィーヤ市、アームーダー市などで、「アーザーディー」(クルド語で自由)を求める反体制デモが発生した。
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ラタキア県では、『ハヤート』(3月24日付)によると、ラタキア市内各所で反体制デモが発生し、治安部隊が強制排除した。
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シリア人権監視団によると、フェイスブックの「バッシャール・アサドに反対するシリア革命」ページの呼びかけに応えるかたちで、各地で大規模な反体制デモが発生したという。
アサド政権の動き
日刊紙『ティシュリーン』(3月23日付)は、国連安保理議長声明に関して、「軍事干渉をめざすシリアの敵の計略の敗北」を意味すると報じた。
国内の武装集団に関して
『ハヤート』(3月23日付)は、シリア国内で、ジハード主義者が台頭しているとのレポートを掲載した。
同レポートによると、ジハード主義者の代表的存在が「シャームの民のヌスラ(救済)戦線」で、同組織はダマスカス県での自爆テロに関して犯行を認めるビデオを配信している。
指導者(アミール)はアブー・ムハンマド・ジャウラーニーを名のる人物で、「征服者」(ファーティフ)の称号が冠されている。
この組織は「白いミナレット報道制作機構」を通じて配信された宣伝映像(http://www.youtube.com/watch?v=jCV2ipgOI9o)からかろうじて活動内容などを知ることができる程度だが、その爆破テロの方法は自由シリア軍とは明らかに異なっている。
しかしその実態については、アル=カーイダと関係がある組織だと断言しているアサド政権も把握していないものと思われる。
国外の反体制勢力の動き
湾岸諸国で活動する反体制活動家のハーリド・ナースィル氏が声明を出し、民主変革諸勢力国民調整委員会が「地元の革命活動家と協調していない」と批判し、同委員会からの脱会を宣言した。
同氏は同委員会の湾岸・アラブ諸国総合調整役を務めていた。
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ヨルダンの首都アンマンで、ダルアー市のウマウィー・モスクの説教師アフマド・スィヤースィナ氏が政権の「虐殺」に抗議する座り込みをシリア大使館近くで断行した。
座り込みには数千人が参加した。
レバノンの動き
アドナーン・マンスール外務大臣はMTV(3月23日付)に対して、シリア軍が反体制勢力掃討のためレバノン領内に砲撃しているとの一部報道を否定した。
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マルワーン・シルビル内務大臣は『シャルク・アウサト』(3月23日付)に対して、レバノン領内のシリア人避難民が反体制活動に関与していない、と述べ、自国がシリアの不安定化を助長する基地となっていることを否定した。
諸外国の動き
EU外相会議は、アサド政権への追加制裁として、アスマー・アフラス大統領夫人、アニーサ・マフルーフ氏(大統領の母)、ブシュラー・アサド氏(大統領の姉)、マナール・ジャドアーン氏(マーヒル・アサド大佐の妻)を制裁リストに加えることを決定した。
制裁の理由は「弾圧への荷担」や「体制支持」だという。
しかし彼女らは、アサド政権において何らの公的ポストにも就いておらず、単に政権に与しているという理由で制裁対象とするEUの姿勢は、政権に反旗を翻さない大多数のシリア国民の生活を結果として困窮させている制裁の真意を体現するものと言える。
この追加制裁により、彼女たちは、EU諸国への渡航を禁じられるとともに、そこでの資産を凍結されるが、英国籍を持つアスマー・アサド大統領夫人の英国への「帰国」を阻止することは法的には容易でない。
またこの追加制裁と合わせて、スフィヤーン・アッラーウ石油鉱物資源大臣、アドナーン・ハサン・マフムード情報大臣、ウマル・イブラーヒーム・ガラーワンジー地方自治大臣ら8閣僚も制裁リストに加えられ、24日に発効する。
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国連は国際社会に対して、ヨルダン、レバノン、トルコ、イラクにおけるシリア人避難民支援のために8,400万ドルの寄付を呼びかけた。
AFP, March 23, 2012、al-Hayat, March 24, 2012、Kull-na Shuraka’, March 23, 2012、MTV, March 23, 2012、Naharnet.com, March 23, 2012、Reuters, March 23, 2012、SANA, March 23, 2012、Tishrin, March 23, 2012などをもとに作成。
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