2013年11月16日のシリア情勢

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(11月16日付)は、大統領府に近い「革命」協力者筋の話として、ラタキア県カルダーハ市にあるハーフィズ・アサド前大統領廟の地下に巨大なホールが建設され、化学兵器が隠されていると報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ナバク市、カーラ市などダマスカス・ヒムス街道沿いの一帯で、軍がイスラーム軍など反体制武装集団と交戦、また軍がカーラ市、ダイル・アティーヤ市東部の山間部、ヤブルード市、ザバダーニー市を空爆、「カラムーンの戦い」が本格化した。

同監視団によると、この動きと並行して、ヒズブッラーの戦闘員数千人が、レバノン国境を越えて、カラムーン山地一帯に向けて進軍を開始した。

ヒズブッラーの増援部隊の投入は、シャームの民のヌスラ戦線など反体制武装集団が数千人の戦闘員を動員し、カーラ市での戦闘に備えていることを受けた動きだという。

この動きに関して、シリア治安筋はAFP(11月16日付)に、ヒムス県マヒーン町一帯での戦闘で敗走した反体制武装集団の残党の追撃が行われていると述べた。

このほか、ムウダミーヤト・シャーム市で軍と反体制武装集団が交戦し、またバイト・サフム市を軍が空爆した。

また、SANA(11月16日付)によると、ヤルダー市、バービッラー市、ナシャービーヤ町郊外、ダイル・サルマーン市郊外、ムライハ市郊外、ザマルカー回廊、ヤブルード市郊外、アドラー市、リーマー農場、ダイル・アティーヤ市東部、ランクース市西部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、軍がジャウバル区、カーブーン区に対して空爆・砲撃を行った。

一方、SANA(11月16日付)によると、カッサーア地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性1人が死亡した。

また、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、アブー・ファドル・アッバース旅団が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線との戦闘の末、アレッポ国際空港とサフィーラ市近郊の防衛工場機構間の幹線道路をほぼ完全に制圧した。

このほか、タウヒード旅団が、アムジャード・イスラーム旅団とともに、ナイラブ航空基地を砲撃、軍のヘリコプター2機と武器・燃料庫3棟を破壊したと発表した。

またアレッポ市では、軍が旧市街のジュルーム地区、アカバ地区、サキータ地区に砲撃を行った。

一方、SANA(11月16日付)によると、ハーン・アサル村、フライターン市、アブティーン村、ナッカーリーン村、クワイリス村、アウラム・クブラー町、カスキース村、アルバイド村、アレッポ中央刑務所周辺、サフィーラ市郊外工場地区、アレッポ市カースティールー地区、カフルダーイル村、マーリア市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ザバディーヤ地区に軍が進軍、カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、バニー・ザイド地区、シュワイヒナ地区、ラーシディーン地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ航空基地西部のシャイフ・ジャースィム市上空で、シリア軍のヘリコプターが炎上墜落した。

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ヒムス県では、SANA(11月16日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした外国人反体制武装集団を軍が撃退した。

またカルアト・ヒスン市、タッルドゥー市、カフルラーハー市、ハウラ地方、ハーリディーヤ村、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、タドムル市郊外(シャーイル山)、ドゥワイル村、ヒムス市クスール地区、ワルシャ地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(11月16日付)によると、ダルアー市難民キャンプ地区、アトマーン村、ナーフタ町、フラーク市、ヌアイマ村、ガーリヤ市、ナワー市、ナースィリーヤ村、ガディール・ブスターン市、ザアルーラ市、ヒーラーン村、マアラカ市、アブー・ガーラ市、ラスム・カッター市、タファス市、サイダー町、カルサー市、アイン・フライハ市、ラジャート高原一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(11月16日付)によると、バザーブール村、ナージヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領は、中東地域情勢に関して、ジュネーブ2会議開催準備、イラン核問題などにおいて進展が見られたとしつつ、「こうした国際社会の状況には混乱や後退もあり得るだろう。シリアにおいて軍事的解決という論理が復活し、イランへの圧力が増し、サウジ・イラン関係が緊張するかもしれない」と警鐘をならした。

UPI(11月16日付)が伝えた。

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UPI(11月16日付)によると、「カラムーン」の戦いを逃れて、シリア領からベカーア県に潜入したアルジェリア人1人、シリア人4人の合わせて5人からなる武装集団をレバノン軍が身柄拘束した。

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ベカーア県バアルベック郡アルサール市のアフマド・フジャイリー市議会議員はAFP(11月16日付)に対して、「カラムーンの戦い」本格化を受け、15日以降、シリアから約1,000人の住民が避難してきたと述べた。

AFP, November 16, 2013、al-Hayat, November 17, 2013、Kull-na Shuraka’, November 16, 2013、Naharnet, November 16, 2013、Reuters, November 16, 2013、Rihab News, November 16, 2013、SANA, November 16, 2013、UPI, November 16, 2013などをもとに作成。

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